GAG(Galleria Actors Guild)は、アマチュアオペラ制作集団「ガレリア座」で知り合った大津佐知子と北教之が、1996年に結成した劇団です。二人芝居を中心とした少人数の演劇・朗読劇などを不定期に上演し続け、2013年には第十回公演を開催しました。演劇だけでなく、歌曲なども交えたお茶会などを今後も発表し続けていきます。

北の今年最大の挑戦、マイアベーア「悪魔のロベール」チケット販売開始です!

急激に気温が下がってきました。空気も乾燥し、歌い手の皆さんにはちょっとつらい季節がやってきましたが、皆様いかがお過ごしですか?

さて、今回は、以前からこのブログでも予告しておりました、12月20日(日)に上演される、ガレリア座公演「悪魔のロベール」についての告知です。

チラシが完成し、チケット販売が開始されました!

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ガレリア座 第27回公演

G.マイアベーア作曲 歌劇「悪魔のロベール」

(全5幕 日本語訳詞上演/日本初演

2015年12月20日(日)開演13:30(開場13時)

於 多摩市立総合文化施設パルテノン多摩”大ホール

S席3,000円 A席2,500円 B席2,000円 (全席指定)

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GAG団員の大津佐知子は、主人公ロベールと恋に落ちる王女イザベルを、北教之は、ロベールの友人、実はかれの父親である悪魔ベルトランを演じます。

ヨーロッパに中世から伝わる悪魔伝説と、実在のノルマンディー公「ロベール悪魔公」が結びついたこのお話。悪魔の魅力に惑わされ、その子供を身ごもってしまったベルテ姫。彼女が産み落とした、悪魔の子供、ロベールは、その体に流れる悪魔の血脈そのままに、暴虐の限りを尽くし国を追われますが、旅先で出会った、シチリア王女イザベルとの恋、そして、母ベルテ姫の遺言に、次第に神性を取り戻していきます。ロベールの父親、悪魔ベルトランは、そんな彼を地獄へと誘いますが、ロベールは、父への思いに苦しみながらも、その誘いに背を向け、ベルトランは地獄に消えていきます。

悪魔の合唱、妖艶な亡霊たちの乱舞、悪魔の地獄落ちと、スペクタクルとけれん味にあふれたファンタジックな物語は、ショパンをして、「マイアベーアは神の領域に達した」と感嘆させ、感激のあまり、ショパンは、「チェロとピアノのための『悪魔のロベール』の主題による協奏的大二重奏曲」という曲を書き残しました。同じように、リストも、「『悪魔のロベール』による回想、地獄のワルツ」というピアノ曲を書き残しています。

19世紀前半のパリに激震をもたらしたこの作品、あまりに長大な曲であること、先駆性と古典様式のごった煮のような混沌感がぬぐえないことから、ほとんど上演されることのない埋もれた作品でした。(今回の上演も、一部カットした短縮版となります)

しかし、この作品が、その後に生み出されたフランスグランドオペラの主要な作品に与えた影響力は計り知れないものがあります。実際、「この場面はどう考えても『ホフマン物語』だよなぁ」「このキャラクターは『カルメン』のミカエラだよねぇ」「これはどう考えても『ファウスト』だろ」といった会話が、ガレリア座の練習会場では何度もささやかれています。

音域も広く、ヴェルディを彷彿とさせるようなエネルギッシュな男声二重唱もあれば、当時流行だったアカペラによる長大な三重唱、技巧的なカデンツァなど、歌い手にとっては拷問とも思えるような作品。大津演じる王女イザベルにはアジリタを駆使した超絶技巧が試される大きなアリアがあり、また、北が演じる悪魔ベルトランは、ほぼオペラの準主役といっていいような大役で、北にとっては今年最大の挑戦、ともいえる大変な役になっています。

自分の実力をはるかに超える大変なオペラではありますが、日本初演のこの作品の魅力を、少しでも客席に届けるべく、頑張ります!年末のお忙しい頃とは思いますが、皆様ふるってご来場ください!日本でこの作品を見ることができる機会は、おそらくもう二度とないと思われますよ!!

チケットのご用命は、GAG北まで、是非ご一報いただければ幸いです!

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「椿姫」終演いたしました!

10月3日(土)、くにたち市民芸術小ホールで、東京シティオペラ協会「椿姫」上演。GAG団員の大津佐知子がタイトルロールを演じました。

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このところ、カケスとかリスとか、人間以外のものを多数演じておりましたが、今回はゴージャスに装っております。

くにたち市民芸術小ホールは、350名程度の小さなホールですが、小編成オーケストラも収容できるオケピットもある、とてもいいホールです。小ホールでグランドオペラを上演する、という不可能にも近い企画、と、川村敬一先生がパンフレットに書いておられましたが、舞台上に作り上げられた世界はまさに19世紀半ばのパリ。急激な経済発展で都市に集中した富に群がる女たちと、それを金であがなう男たち。そんな虚飾の世界で男たちの欲に翻弄されるヴィオレッタの孤独。演出の原純先生が、くっきりと描き出したヴェルディの情念の世界。

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ちなみにソファ、クッション、燭台、その他の道具はすべて原さんの私物だそうです。どんなお家に住んでらっしゃるの。

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パパジェルモンを演じるのはガレリア座でもパパジェルモンを演じてくださった神田宇士さん。ソフトな美声が見事です。

大津は歌い手泣かせの超難曲をしっかり歌いこなしながら、持ち前の演技力で、死の予感に怯えながら、愛に最後の命の炎を燃やす、オペラの歴史の中で最も有名な悲劇のヒロインの一人を演じきっていました。一幕からヴィオレッタの周りに死の予感が常に漂っていて、それがヴィオレッタの愛への渇望につながってくる。登場した瞬間から破滅への予感を漂わせるナタリー・デッセイの「ランメルモールのルチア」を連想した方も何人かいらっしゃったようです。

別の日記で、演出を中心に北が感想を書いておりますので、ご興味のある方はそちらもご覧ください。↓こちらです。

d.hatena.ne.jp

耳にするだけで陶然とする矢島正明先生のナレーション、多彩な表現力で歌い手を支えて下さる赤塚博美先生のエレクトーン伴奏と、コレペティトゥアの大杉祥子先生。素晴らしいスタッフと素晴らしい共演者に恵まれ、小さなホールがみっしりとしたヴェルディの音楽とドラマで充たされた時間でした。今後も大津の舞台活動は続いていきますが、今後に向けての大きな財産になった舞台だったと思います。

次は11月のアメリカ音楽、12月のマイアベーアと、GAG団員の関係する舞台が続きます。今後ともGAGをよろしくお願いいたします!

大津の出演舞台情報アップデートです

やっと秋めいた気候になり、街中にキンモクセイの香りが漂う季節になってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、1か月ほどご無沙汰してしまったのですが、GAG団員の舞台活動は続いております。今回は、大津の最近の出演予定舞台について、まとめて宣伝させていただきます。以前にも今年いっぱいの出演予定を周知したことがありましたが、ここ1・2か月で決まった舞台もありますので、アップデート、という感じです。

 

★2015年10月3日(土)東京シティオペラ協会「椿姫」で、タイトル・ロールのヴィオレッタを演じます!

前回のこのブログでもご案内させていただきました。まさに練習も佳境に入り、「修道女アンジェリカ」で濃密な舞台を作り上げた原純先生の演出も冴えわたっているとのこと。「ヴィオレッタは可哀そうなのにさらにさらに残酷な演出がついているんだぁ」と、どっぷり落ち込んで帰宅する日もしばしば。バケツ一杯泣けるヴェルディオペラの最高峰。皆様のご来場をお待ちしております!

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★2015年11月24日(火)東京室内歌劇場コンサート「歌でつづるアメリカの音楽史」に出演します!

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以前、GAG公演で、ガーシュインアービング・バーリンなどのアメリカ歌曲を歌った大津。英米歌曲には思い入れもあり、東京室内歌劇場のこの企画のオーディションにトライ。結果、大好きな英米歌曲を歌う機会をいただくことができました。オペレッタとミュージカルの橋渡しとなるような珍しい曲や、フォースターの名曲、黒人霊歌など、アメリカという人種と文化のるつぼの中で生み出されていった様々な音楽の形を楽しめるコンサートになっております。

 

★2015年12月20日(日)ガレリア座 第27回公演 マイアベーア「悪魔のロベール」 イザベル役で出演します!

大津がオペラ活動を始めた場となったオペラ団体、ガレリア座の第27回公演は、日本初演となるフランス・グランド・オペラの嚆矢、マイアベーアの「悪魔のロベール」。大津が演じるイザベルは、このオペラのヒロインにして、コロラトゥーラ技巧も駆使する難役。もう一人のGAG団員の北も、悪魔ベルトラン役で出演します。ちらしなど詳細が決定しましたら、またこのブログで周知させていただきます。

 

★2016年3月2日~6日 東京室内歌劇場スペシャルウィーク「オペラを作ろう!小さな煙突掃除屋さん」に出演します!

毎年せんがわ劇場の空間をファンタジックな音楽世界に塗り替えてしまう、東京室内歌劇場スペシャルウィークのシリーズ、今年は、ブリテン作曲の「小さな煙突掃除屋さん」。大津は、昨年の「子供と魔法」に引き続き、このシリーズへの出演が決まりました。またあの濃密な小劇場の中で、みなさんにお会いできるのを楽しみにしております!

大津の舞台活動も着実に増えており、これも日ごろからの皆様の応援のおかげと感謝しております。皆さんのご支援にこたえるべく、日々精進しておりますので、お時間のある方は是非劇場に足をお運びください!

大津、ヴィオレッタに挑む!

セミの声がかしましい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?

GAG団員の舞台活動を紹介しておりますこのブログ、先日のサロンコンサート以降、少し間があいてしまいました。

今回は、10月3日(土)の東京シティオペラ協会「椿姫」のご案内です。

GAG団員の一人、大津佐知子が、ヴィオレッタに挑みます!

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ヴィオレッタ、といえば、数あるオペラのヒロインの中でも最も有名な役の一つ。ソプラノ歌手ならだれもが一度は挑戦してみたい大役。はるか遠い手の届かない憧れの役、と思っていたそうですが、この度オーディションにてこの機会をつかむことができました。

演出は、前回の東京シティオペラ協会公演、「修道女アンジェリカ」「外套」で、密度の濃い美しい舞台を作り上げた原純さん。エレクトーン伴奏の赤塚博美先生、ピアノ伴奏の大杉祥子先生は、東京シティオペラ協会の伴奏の屋台骨。パパ・ジェルモンの神田宇士さん、アルフレードの三浦義孝さんと、立派な体格と素晴らしい声の共演者の中で、サイズ的にはかなり小さな大津ではありますが、全身全霊でタイトルロールに挑んでいます。そして、ナレーションは再び、あの、声優界の生神様、矢島正明先生。

チケットのご用命は、ちらしの連絡先以外にも、下記のGAG連絡先および大津個人あてでも受け付けております。10月3日(土)、お時間のある方は、是非、くにたち市民芸術小ホールまで、足をお運びください!

↓GAG連絡先はこちらです!

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GAGプロデュース「Singspielersのさろん・こんさーとAct2」無事終了いたしました!

相変わらずの溶けるような暑さの中、みなさま如何お過ごしでしょうか?

さて、先日7月26日(日)、このブログでも周知しておりました、GAGプロデュース公演「Singspielersのさろん・こんさーとAct2」が開催されました。

猛暑の中お集まりいただきましたお客様の温かい拍手と、共演者・スタッフのご協力のもと、みっしりと充実した親密な時間を過ごすことができました! 

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前回、オペラ「椿姫」のハイライト・コンサート、ということで第一弾を開催した際、単なるハイライトコンサート、という形ではなくて、少し違う視点からオペラを眺めてみる「レクチャー・コンサート」としての味付けをしてみました。それが結構ご好評をいただいたこともあり、シリーズ化にあたっては、単に歌いたい曲を並べるのではなくて、一つのテーマを決めて、そのテーマに沿って選曲をしていく、というスタイルで臨みました。今回のテーマは「オペラの中の親子の絆」。こんなプログラムとなりました。

 

モーツァルト魔笛」から「パパパの二重唱」

ヴェルディシモン・ボッカネグラ」から「貧しい家のいやしい女が」

❇マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」から「ママも知る通り」

ヴェルディドン・カルロ」から「一人さびしく眠ろう」

プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」

オッフェンバックホフマン物語」から「歌をやめる?」

 

こうやって並べてみると、どう見ても、出演者の実力をかなり超えた大曲が並ぶ大変なコンサートになったのですけれど、単に歌い手のレパートリーを並べるだけじゃなく、新しいものにも挑戦することに意味があったように思います。上演の録画とか見直すと(自分の舞台の画像見るのって辛いっすね泣)、時々耳を覆いたくなるくらい下手くそなんだけど、それでもやっぱり、こうやってハードルを上げていくことに意味がある気がする。

ご来場者のお一人がおっしゃっていたのですが、「親子」というテーマで統一感は作りながら、ドイツ語あり、イタリア語あり、フランスものあり、と、バラエティを広げられたのもよかったと思います。ナビゲータの原田さんの重くなりすぎない温かなナレーションも、重たい曲が続いたプログラムを軽くしてくれました。次回のプログラムを何にするか、今から色々ネタを考えているのですけど、ナレーションで綴っていくレクチャーコンサート形式、というのは、今後も続けていきたいな、と思っています。

そして何より、今回の目玉になったのが、ベジタリアン理研究家のてっこさんによる素晴らしいお料理の数々!

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 てっこさんには、GAG本公演でいつもお料理を提供していただいているのですが、このサロン・コンサートの企画を案内したところ、「お料理を提供しますよ」とてっこさんからお申し出をいただいたのです。テーブルに並んだいろどり豊かなお料理を見て、歓声とともに、スマホで写真を撮るお客様続出。思わず、「カメラをお持ちのお客様は前へどうぞ」と声をかけてしまいました。

今回のてっこさんのお料理のテーマは、「夏を乗り切る和食の知恵」ということで、お寿司の知恵である「お酢でしめたお米のお料理」として、玄米をワインビネガーでしめたグレインズサラダ、少し油たっぷりの野菜炒めを冷やして固めのパン生地に乗せ、パン生地のカリっとした触感と野菜のジューシーさを味わえるカナッペなど、一度食べたら忘れられない美味の饗宴。主宰者の立場をすっかり忘れて楽しんでしまいました。

「親子の絆」というテーマを思いついた瞬間から、「だったら『ドン・カルロ』のフィリポ二世のアリアを、娘にチェロ伴奏してもらって親子共演で歌おう」と思い立ち、親孝行な娘の「いいよ」というありがたい返事をもらって、実現しました親子共演。

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親ばか発言なのは百も承知なんですが、チェロを始めてまだ3年弱ながら、確かな音程とフレーズ感で、いいチェロを聴かせてくれたと思います。女房には、「孤独な王の苦悩のアリアなのに、至福のアリアに聞こえたぞ」とからかわれましたが。

お料理の後、お酒も入った状態で歌った、高田三郎先生の「くちなし」は、冒頭の歌詞を間違えた上に、録音を聴くと全く歌になる以前の問題で、高田三郎先生に聞かせたらたぶん瞬殺されるような出来。とはいえ、やっぱり歌ってみると沁みる曲で、今回の挑戦を出発点に、何度も挑戦したい曲だと思いました。片づけを手伝ってくれた方が、ずっとこの歌を口ずさみながら椅子を片付けてくれていて、少なくとも「いい歌だな~」と思ってもらえたのかも、と思ったり。

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お開きの前に、お客様全員で「七つの子」を合唱。親子をテーマにした日本歌曲、ということで選んだのですけど、お客様の中には歌い手もたくさんいらっしゃったこともあり、大変分厚い立派な大合唱になりました。

演奏会や舞台というのは、出演者だけじゃなく、そこに集ったお客様も一緒に空気を作り上げるもの。ましてや、マエストローラ音楽院のようなこじんまりした空間を共有する時間は、出演者とお客様が一緒に作り上げる親密な時間です。パンフレットにも書きましたけど、この時間は、出演者とお客様が一緒に作り上げた、いわば子供のようなもの。この子供をさらに大事に育てていきたいと思います。今後とも、「Singspielersのさろん・こんさーと」、何卒ご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます!

7月26日サロンコンサート、練習も佳境に入ってまいりました!

酷暑、という言葉がまさにぴったりの今日この頃、皆さんいかがお過ごしですか?

さて、GAGプロデュースのサロン・コンサート「オペラの中の親子の絆」、本番二週間前になり、立ち稽古にも熱が入ってまいりました。

前回のサロンコンサートからの大きな変更点といえば、新しい歌い手の辻本さんの参加、わが娘によるチェロ、そして、ナビゲータの原田さんの参加、という三点。

持ち声の艶やかさと華やかな立ち姿が魅力の辻本さん、パパのワガママに付き合ってパワフルなチェロを聞かせてくれるわが娘、そして、暖かで明るいキャラクターで聴衆を引き込みながら、シリアスなオペラの世界をしっかり作り上げてくれる原田さん。それぞれの魅力で、前回よりもさらにスケールアップし、オペラの魅力を十二分に楽しめる演奏会に仕上がりそうな予感がしております。

前回からのメンバーも頑張っています。相変わらずキュートな魅力いっぱいの君島さん、ドラマティックな歌声の大林さん、そして、歌い手にどこまでも寄り添ってくれる小澤さん。小澤さんのピアノソロもゴージャスです。

北はとにかく必死に背伸びをしておりますが、伸びきってぷつんと切れないように、かといって届かないまま終わらないように、今、自分のできるぎりぎり精一杯のベストをお客様にお聞かせできるよう、頑張りたいと思います。

お席はすでに予約で満席となっておりますが、ご来場予定のお客様は、26日の一期一会の時間を、ともに目いっぱい楽しみましょう!新宿御苑のマエストローラ音楽院にて、皆様をお待ち申し上げております!

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先日の練習風景。パワフルなチェロとゴージャスなピアノに、パパも負けずに頑張るぞ。

GAG団員の今後の活動予定および準備状況レポートです。  

本格的な梅雨シーズン、体調管理も難しい今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしですか?今日は、以前もこのブログでご紹介した、今年のGAG団員の活動予定の詳細が固まってまいりましたので、ここでおさらいも兼ねて、再度告知しておきたいと思います。それぞれの舞台の準備状況などもレポートいたします。

  

★7月26日(日)GAGプロデュース公演:Singspielersのさろんこんさーと(Act2)「オペラの中の親子の絆」

 

おかげさまで満席となりましたサロンコンサート、「オペラの中の親子の絆」。満席のお客様をがっかりさせないよう、日々楽譜をさらっているところです。オペラガラコンサートですから、当然、オペラの曲が中心のプログラムで、どの曲も大変な挑戦なのですが、北にとっての最大の難曲は、オペラの曲ではなく、昔から一度歌ってみたい、と思っていた高田三郎作曲の日本歌曲。シンプルな伴奏、淡々と流れつつ胸に沁みる美しい旋律、そして、歌詞に込められた深い宗教性に、何度歌っても全く手が届かない。You Tubeを見るとオペラ歌手の方々が歌ってらっしゃる映像があって、実に軽々と、何事でもないかのように見事に歌い上げてらっしゃる(特に、アルトの小川明子さんの歌唱が本当に大好き!)んですが、自分がやってみると全然簡単にいかない。ブレスコントロール、日本語のさばき方、どれをとっても歌に聞こえてこない。

 ものすごく難しいことを、さも簡単なことのようにさらりとやってしまうのがプロだ、と誰かが言ってましたが、そのプロの技に目をくらまされて、「これならオレもできるかも」と浅はかな技術で挑戦してしまうのがアマチュアの愚かさ。でも、いつかはこの歌を歌ってみたい、と思い続けていた名曲、今自分にできる精一杯のパフォーマンスをお届けできるように、頑張りたいと思います。「へたくそだったけど、曲はひょっとしていい曲かも」と思っていただければそれだけで嬉しいかも。

いつものように二部構成、後半はお客様も交えての立食パーティなんですが、毎回のGAG公演にお料理を提供してくださるヴィーガン料理のシェフT子さんが、なんと今回もお料理を提供してくださることになりました。前回同様アスクルの「ドリンクホルダー付スナックトレー」も届き、お集まりの皆様に楽しい時間を過ごしていただくべく、着々と準備しております。ご予約いただきました皆様を心よりお待ち申し上げております!

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各種資材と、格闘中の日本歌曲の楽譜。いや、楽譜がトレーと戦っているのではない。

  

★10月3日(土)東京シティオペラ公演:ヴェルディ作曲「椿姫」

 

大津がヴィオレッタに挑戦する東京シティオペラ公演「椿姫」の公演日が決定。東京シティオペラ協会のホームページに告知が掲載されました!

www.tokyo-city-opera.jp

 

10月3日(土)・4日(日)の二日公演、会場はくにたち市民芸術小ホール。大津は、3日(土)の回に出演いたします。ソプラノ歌手ならだれでも一度は歌ってみたい、まさに頂点ともいえる役。ガレリア座でもお世話になった神田宇士さんのパパジェルモンとの共演も楽しみ。

大津からのメッセージ:

「ストレスで耳がおかしくなるほど頑張っております。もう一生に一度のことですので皆さん是非見に来てください。ほんとに見に来てください。」

 

★12月20日(日)ガレリア座 第27回公演 G・マイアベーア作曲「悪魔のロベール」(日本初演)於 パルテノン多摩大ホール

 

フランスグランドオペラの嚆矢にして世紀末パリを熱狂させた、G・マイアベーアのオペラ「悪魔のロベール」。忘れられたこの大曲の日本初演に、ガレリア座が挑みます。大津が演じるのは、シチリア王女イザベル。コロラトゥーラの高等技巧を求められるソプラノの難役です。そして、北が演じるのは、ロベールの父親にしてロベールを地獄に引き込もうとする悪魔ベルトラン。フランスオペラでしばしば登場する悪魔の系譜の原点ともいえるバスバリトンの役です。先日、ピアノ伴奏での全幕通し練習があり、作品の全貌が見えてきて、その巨大さに茫然としているところ。

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全幕通しの一コマ。タイトルロールが熱唱している脇でカメラ目線のプリマ。 

主宰の八木原氏は、グノーの「ファウスト」のメフィストや、オッフェンバックの「ホフマン物語」の悪役など、フランスオペラの悪魔に共通する「洒落っ気」を表現してほしい、と北に言っておりますが、まだまだそんな域には全く届いていません。楽譜を追いかけるのに必死。早く曲としての表現の段階に進めるように、日々楽譜を読み込んでいきたいと思います。 

来年のことを言うと色んなものが笑い出すとは思いますが、年明け以降の予定もいくつか決まっています。それぞれの舞台の一期一会の空間で、たくさんのお客様に笑顔になっていただけるように、日々精進してまいります。今後ともGAGをよろしくお願いいたします。