GAG(Galleria Actors Guild)は、アマチュアオペラ制作集団「ガレリア座」で知り合った大津佐知子と北教之が、1996年に結成した劇団です。二人芝居を中心とした少人数の演劇・朗読劇などを不定期に上演し続け、2013年には第十回公演を開催しました。演劇だけでなく、歌曲なども交えたお茶会などを今後も発表し続けていきます。

万年筆女子会コンサート、好評のうちに終演いたしました!

11月に入り、一気に気温も下がってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、先日来、このブログでもご案内しておりました、大津出演の演奏会、「万年筆女子会コンサートVol.1」が、11月12日(土)に、渋谷ラトリエで開催され、ほぼ満席のお客様をお迎えし、大好評のうちに終演いたしました!ご来場いただきましたお客様、誠にありがとうございました!

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 オープニング、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」より。五人とも声量があるので、大変厚い女性合唱になりました。

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 会場の渋谷ラトリエ。二階にある楽屋から、一階の会場につながる階段の途中から見下ろします。

渋谷のラトリエは、GAG公演でもすっかり定箱にしているサロン。居心地のよい空間、演奏する側がどうやったら心地よいか、ものすごく気配りしてくださるスタッフさんたち。この場所で色んな発表ができる幸せを毎回感じます。

 今回、大津は、イギリス古謡を2曲、オペラ「ロミオとジュリエット」から、アリア「私は夢に生きたい」、そして、なかにしあかね作曲「夏の夜の夢」から、終曲「我ら役者は影」の4曲を歌いました。得意分野の英語歌唱を活かすだけでなく、お客様を惹きつける存在感と表現力で、夢見る少女からいたずら好きの妖精まで、様々なキャラクターを演じ切りました。

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イギリス古謡、「It was a lover and his lass」

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ロミオとジュリエット」より、「私は夢に生きたい」

 

声の質、得意な分野や言語など、パフォーマンスの個性が見事なまでに重複しない5人の歌い手。「文豪」というキーワードで持ち寄った曲もバラエティに富んでいるのですが、それだけでなく、日頃歌いなれたレパートリーを持ち寄る、という安易な道を選ばずに、「折角の自主企画なのだから、歌ったことのないこの曲に挑戦してみよう!」というチャレンジ精神にあふれたプログラム。聴く側にも、そういう歌い手の矜持が伝わってくる、いい意味で緊張感のある、みっしりと充実した時間を過ごすことができました。これだけバラエティに溢れたプログラムを支えきった、田中知子さんのピアノの素晴らしさにも感動。

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コルンゴルトの「道化の歌」を端正に歌う、中島佳代子さん。

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ハムレット」より、「オフェーリアの狂乱の場」を歌う、末吉朋子さん。超絶高音で狂気を演じました。

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田辺いづみさんの「魔王」。田中知子さんのピアノの連打がトランス状態を誘い、魔王のパートを歌う時のいづみさんの目が妖しく光ったとの証言あり。

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「グレートヒェンのモノローグ」は、歌ではなくセリフ、モノローグです。ドイツ語の独白を橋本美香さんが鬼気迫る表現で演じ切りました。

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田中さんを囲んでの集合写真。

さて、ここからちょっと裏話を。今回の演奏会、5人の歌い手たちがそれぞれに、事務作業を分担して作り上げた手作り演奏会。会計担当は中島佳代子さん、チラシのデザインは橋本美香さんの旦那さま、プログラムは田辺いづみさん製作、チケット管理やチラシの挟み込み手配は末吉朋子さん、といった感じ。以前このブログで、「歌い手の個性がいい感じにバラバラで、バランスがいい」という話をしましたが、演奏会を企画進行していくノウハウ、という意味でも、いい感じに「得意分野」が分かれていて、バランスがいい。

 その中で、大津は、会場との折衝や企画の進行管理、終曲の「夏の夜の夢」の上演台本製作を担当。北は、字幕スライドの製作とオペレーションを担当しました。大津が書いた「夏の夜の夢」のセリフ部分では、ラトリエの二階や階段など、会場のあちらこちらに散らばった歌い手たちが、それぞれに妖精のセリフを語り、会場全体を妖精の森のような雰囲気に包みこむ演出が印象的でした。

ここで、北製作のスライドの一部をご紹介。結構凝って作ったんですよ。

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「オフェーリアの狂乱の場」

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「魔王」

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なかにしあかね先生作曲「夏の夜の夢」から。

過去のGAG公演やサロンコンサートでスライド製作したノウハウを踏襲し、「字幕スライド」というよりも、歌全体の対訳や要約をスライド投影する、という形式を取りました。訳詞を印刷したプログラムをお手元に配る代わりに、スライドで投影する、という感じですね。手元の印刷物を見ながら演奏を聴くよりも、舞台全体で演奏を楽しむことができた、ということで、何人かのお客様からお褒めのお言葉をいただくことができました。

歌い手それぞれが、妥協なく自分のパフォーマンスに向かう姿勢、練習が終わったあとの万年筆談義、そういう楽しい時間を経た上で、充実した第一回演奏会を成功裏に終了。万年筆女子のみなさんはさらに盛り上がっております。打ち上げの席でも、「次回はどうする?」「やっぱり日本モノにしますか?」「日本モノといえば国産、やっぱりパイロット?」「いやプラチナでしょう」と、歌の話をしているのか万年筆の話をしているのか分からない会話が飛び交っておりました。万年筆女子会の5人の歌い手が次に何を繰り出すのか、しばらく目が離せません。次が見えてきましたら、またこのブログでご案内させていただきます!