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GAG(Galleria Actors Guild)は、アマチュアオペラ制作集団「ガレリア座」で知り合った大津佐知子と北教之が、1996年に結成した劇団です。二人芝居を中心とした少人数の演劇・朗読劇などを不定期に上演し続け、2013年には第十回公演を開催しました。演劇だけでなく、歌曲なども交えたお茶会などを今後も発表し続けていきます。

たまには北の活動を~2つの音楽コンクールに挑戦しました!~

10月もそろそろ終わりというのに、なかなか秋らしい天候になりませんが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 

さて、このGAGブログでは、最近、プロのソプラノ歌手である大津の舞台活動の報告が中心になり、もう一人の団員、北の活動がほとんど報告されておらず、GAGブログといいながら、ほぼ、大津佐知子の舞台ブログになっておりました。今回は珍しく、北の最近の舞台活動にフォーカスして報告いたします。 

なんで最近黙ってたの、と言えば、北はアマチュア舞台人なので、活動自体が少ない、というのもあるんですが、もっと大きな理由が、実は、音楽コンクールに2つ挑戦していて、このブログでレポートできるような結果が得られなかったらどうしよう、とブルっていた、という小心者の北らしい理由でして、一応、これならレポートしてもいいんじゃないかな、という結果をいただくことができ、やっと掲載する次第。

  

 まずは、9月19日、文京シビックホールで開催された、合唱コンクール東京都大会に、所属している合唱団麗鳴の団員として参加。強豪居並ぶ全国屈指の高レベルな東京都大会の中で、銅賞に入賞することができました。

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歌ったのは、課題曲が、市原俊明作曲、北原白秋作詞「角を吹け」、自由曲が、千原英喜作曲、五木寛之作詞「心が愛にふるえるとき」より、「追憶」。楽譜を購入した上で、自分用のコピー譜を作ってこれに書き込みをするのが北のスタイル。何度も同じ指摘をされても治らない歌い癖が確認できて、自分でも嫌になったりする。

 「心が愛にふるえるとき」は、3月の麗鳴の定期演奏会でメイン曲として演奏した曲。五木寛之の終生のテーマともいえる、日本海を隔てて、大陸と日本の間に引き裂かれる人の絆と、引き裂かれてもなお求め続ける無念と慟哭の情のこもった歌詞。その歌詞に、歌謡曲を思わせる現代的なリズムや、ユーラシア大陸の広がりをも内包したアジアの彩りをスパイスに加えながら、千原先生らしい厚みのある美しい和音で平易に書かれた楽曲。演奏会の後も、「この曲をもっと突き詰めて歌ってみたい」という団員の声が大きく、コンクールの自由曲で歌うことになりました。

 正直、日本の合唱界をリードする強豪団体が居並ぶ東京都大会で、上位入賞が狙えるような歌唱技術を持った団体でもなければ、そういう技術を駆使するような選曲でもなかった、と思うのですが、多分、団員のこの曲に対する愛着と歌い込んだ時間が、審査員の方々に好意を持って受け止めていただけて、それが銅賞という結果になったのかと思います。審査員の講評の中に、「コンクール、ということを忘れて聞き入ってしまった」という感想があり、歌唱技術の優劣をつける、というコンクールの枠組みを超えて、聞く人の心に届いたものがあったのかな、と思いました。「心が愛にふるえるとき」という楽曲は本当にいい曲なので、色んな団体が取り上げてくれるきっかけになるといいな、と思います。

 

そしてもう一つの音楽コンクールへの挑戦。10月22日に本選が開催された、第五回ウィーンオペレッタコンクールのアマチュア一般部門に出場、同部門1位をいただくことができました。

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いただいた賞状と、賞品のグムンドナーの花瓶。コンクールの事務局長、黒田晋也先生が、日本橋にしかない独占輸入代理店さんから買い付けてきたものだそうです。

普通の声楽コンクールと違い、オペレッタ、という素材に限定したコンクール。アマチュアにまで門戸を広げているとはいえ、受験者の数はそれほど多くない。主催者の方も、「日本でオペレッタを歌う人、というのは本当に少ないんです」と嘆いてらっしゃいました。この手のコンクールというのは、受験者からの受験料で運営されることが多いでしょうから、この受験者の数ではとても採算が合っているとはいえないんだろうな、と、失礼ながら思ったり。でも、「このコンクールを続けたいんです。だって、私はオペレッタが大好きなんですから!」と、主催者の方が熱く語っていらっしゃって、そういう情熱で支えられているコンクールなんだなぁ、と思いました。

熱いのは主催者の方々だけでなく、受験者の方々、とくにアマチュア部門の受験者は、みなさん、オペレッタに対する愛情やこだわりに溢れていて、その情熱にとにかく圧倒される。見事なドイツ語歌唱を聴かせる実力派はもちろん、65歳以上のシニア部門で、声は衰えていても、しっかりした音程と味わいのあるドイツ語で、しみじみとオペレッタの曲を歌われる方や、タキシードに白いマフラーとシルクハットで、そのままオペレッタの舞台から出てきたような出で立ちの方など、ウィーンオペレッタという文化への愛情をひしひしと感じました。

プロフェッショナル部門は、全員が女性の受験者だったのですが、普通のオペラではなくオペレッタを選ばれるだけあって、歌唱技術だけでなく、立ち居振る舞いも含めて美しい美女ぞろいで、どの方の歌も聞きごたえ、見応えがありました。オペレッタコンクールらしく、セリフの審査もあり、みなさん、難しい長台詞に挑戦されていました。

北は、と言えば、ガレリア座で長く関わってきたオペレッタへの愛情は人並み以上にあるものの、歌唱技術やドイツ語歌唱にそれほど自信があるわけでもなく、誇れるものは舞台経験の長さだけ。しかも、いわゆる定番のウィーンオペレッタの曲は、ほとんどがテノールまたはハイバリトンの曲で、北のようなバスバリトンが歌える歌自体少ない。こうなったら、俺はオペレッタに詳しいぞ、というアピールと、舞台経験をアピールするために、かなりマイナーな曲、自分が舞台で上演したことのある曲、あるいは、舞台上での演技表現で勝負できる曲を持っていこう、と決めて、以下の曲で臨みました。

  

予選:

オッフェンバックブラバントのジュブヌイーヴ」から、「ボレロ」(北自作の日本語訳詞)

・シュトルツ「荒れ野に咲く最後のばら」(三浦真弓訳詞)

 本選:

・ミレッカー「乞食学生」から、「オルレンドルフの登場の歌」(三浦真弓訳詞)

・ミッチー・リー「ラマンチャの男」から、「見果てぬ夢」(英語)

  

結果は、アマチュア部門一位という、過分なご評価をいただいたんですが、歌唱技術だけでなく、感情表現などの舞台表現全般が評価されたようで、いただいた審査員のご講評の中にも、「舞台慣れしている」「感情が見える」といったお言葉をいただきました。これまで積み重ねてきた経験が活きたかな、という感じです。

このコンクール、アマチュアにも門戸を開いているし、単なる歌唱技術だけで評価されるのではない、総合力が問われるということもあって、オペレッタが好きな方が挑戦するにはとてもハードルの低いコンクールだと思います。実際、プロフェッショナル部門の受験者の中には、他の大きなコンクールに挑戦する前に、コンクールの雰囲気を体験するために受験している方も結構いらっしゃったようです。

 

コンクールの入賞者を集めての演奏会は、1月に予定されておりますので、またこのブログでご案内していきたいと思います。何卒よろしくお願いいたします!