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GAG(Galleria Actors Guild)は、アマチュアオペラ制作集団「ガレリア座」で知り合った大津佐知子と北教之が、1996年に結成した劇団です。二人芝居を中心とした少人数の演劇・朗読劇などを不定期に上演し続け、2013年には第十回公演を開催しました。演劇だけでなく、歌曲なども交えたお茶会などを今後も発表し続けていきます。

訳詞に苦労しております・・・

今回のGAG公演、会場にある大きなスクリーンを活かして、第三部の歌曲で字幕を出そうと思っています。歌曲の訳詞だけじゃなく、それをイメージしたイラストや画像を表示するつもりなんですが、原語の雰囲気や洒落っ気をどう伝えるか、相当悩みました。字幕製作者の方々の苦労が少し理解できた気分。

比較的単純な、下記のような歌詞だと、それほど悩まず日本語も浮かぶ気もしますよね。

 

Gone is the romance that was so divine.

‘Tis broken and cannot be mended

You must go your way and I must go mine.

But now that our love dreams have ended,

 

とはいえ、日本語に訳すのを完全にあきらめないといけないのが、脚韻。上の歌詞でも、divine/mine、mended/ended、と、きれいに脚韻が踏まれているんだけど、これを日本語に訳すのはもう無理、とあきらめちゃいました。

ところが、こういう韻や語呂合わせがテーマになっている歌詞だったりすると、意味を無視して言葉の語呂合わせを優先しないとつまらなかったりする。先日ちょっとこのブログに書いた、医療術語が大量に出てくる歌なんか、そういう語呂合わせ、というか、言葉のシャレがテーマになっている曲で、どう翻訳したもんだか、もう頭がぐちゃぐちゃ。例えば、以下のような歌詞、皆さんならどう訳しますか?

 

He said my maxillaries were marvels,

And found my sternum stunning to see,

He did a double hurdle

When I shook my pelvic girdle.

But he never said he loved me.

 

意味なんかなくて、maxillaries(上顎骨)とmarvelsとか、sternum(胸骨)のs音をstunningやseeのs音と重ねて楽しんでたり、hurdleとgirdleの語呂合わせ、という、完全な言葉遊びの世界。これを日本語にどう訳したらいいものやら、大津と北で頭を抱えながら、ああでもない、こうでもないと字幕を練っていきます。

 

さて、ここに紹介した歌詞が実際にどう字幕になったか、そしてそれを大津がどう歌いこなすのかは、10月12日の本番会場にてご確認いただくとして(チケット購入いただけなかった皆様、すみません、再演の予定は全くないので・・・ごめんなさい)、大津の思いが詰まった、下記の歌詞のことは少しだけ。

ある歌の歌詞に、「If love were all」という歌詞がありました。こんなフレーズです。

 

If love were all I should be lonely.

I believe the more you love a man.

The more you give your trust, The more you’re bound to lose:

 

最初、北がこれを翻訳した時、北はこんな風に訳しました。

  

もし愛がすべてだとしたら 私はきっと孤独だわ

誰かを愛するほど、

誰かを信じるほど、失うものも大きくなる

 

でも大津は、「ちょっと違う」、と異を唱えたのです。If love were all、というフレーズは確かに、普通に訳せば、「もし愛がすべてだとしたら」となるのだけど、もっと意味としては強いんじゃないか、と。「もし」じゃない、「愛が全てなのだから」くらいの強さがあるんじゃないか、と。

最終的に、字幕はこんな風になりました。

 

ねぇ、愛がすべてなのだから、 

私が孤独なのは当たり前

誰かを愛するほど

誰かを信じるほど、

失うものも大きくなるから

 

歌い手が、演じ手が自分たちでこつこつと作り上げている手作り舞台、思いの一杯詰まった本番は、10月12日(日)、渋谷です。皆様にお会いできるのを楽しみにしております!