GAG(Galleria Actors Guild)は、アマチュアオペラ制作集団「ガレリア座」で知り合った大津佐知子と北教之が、1996年に結成した劇団です。二人芝居を中心とした少人数の演劇・朗読劇などを不定期に上演し続け、2013年には第十回公演を開催しました。演劇だけでなく、歌曲なども交えたお茶会などを今後も発表し続けていきます。

GAGプロデュース「Singspielersのさろん・こんさーとAct2」無事終了いたしました!

相変わらずの溶けるような暑さの中、みなさま如何お過ごしでしょうか?

さて、先日7月26日(日)、このブログでも周知しておりました、GAGプロデュース公演「Singspielersのさろん・こんさーとAct2」が開催されました。

猛暑の中お集まりいただきましたお客様の温かい拍手と、共演者・スタッフのご協力のもと、みっしりと充実した親密な時間を過ごすことができました! 

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前回、オペラ「椿姫」のハイライト・コンサート、ということで第一弾を開催した際、単なるハイライトコンサート、という形ではなくて、少し違う視点からオペラを眺めてみる「レクチャー・コンサート」としての味付けをしてみました。それが結構ご好評をいただいたこともあり、シリーズ化にあたっては、単に歌いたい曲を並べるのではなくて、一つのテーマを決めて、そのテーマに沿って選曲をしていく、というスタイルで臨みました。今回のテーマは「オペラの中の親子の絆」。こんなプログラムとなりました。

 

モーツァルト魔笛」から「パパパの二重唱」

ヴェルディシモン・ボッカネグラ」から「貧しい家のいやしい女が」

❇マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」から「ママも知る通り」

ヴェルディドン・カルロ」から「一人さびしく眠ろう」

プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」

オッフェンバックホフマン物語」から「歌をやめる?」

 

こうやって並べてみると、どう見ても、出演者の実力をかなり超えた大曲が並ぶ大変なコンサートになったのですけれど、単に歌い手のレパートリーを並べるだけじゃなく、新しいものにも挑戦することに意味があったように思います。上演の録画とか見直すと(自分の舞台の画像見るのって辛いっすね泣)、時々耳を覆いたくなるくらい下手くそなんだけど、それでもやっぱり、こうやってハードルを上げていくことに意味がある気がする。

ご来場者のお一人がおっしゃっていたのですが、「親子」というテーマで統一感は作りながら、ドイツ語あり、イタリア語あり、フランスものあり、と、バラエティを広げられたのもよかったと思います。ナビゲータの原田さんの重くなりすぎない温かなナレーションも、重たい曲が続いたプログラムを軽くしてくれました。次回のプログラムを何にするか、今から色々ネタを考えているのですけど、ナレーションで綴っていくレクチャーコンサート形式、というのは、今後も続けていきたいな、と思っています。

そして何より、今回の目玉になったのが、ベジタリアン理研究家のてっこさんによる素晴らしいお料理の数々!

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 てっこさんには、GAG本公演でいつもお料理を提供していただいているのですが、このサロン・コンサートの企画を案内したところ、「お料理を提供しますよ」とてっこさんからお申し出をいただいたのです。テーブルに並んだいろどり豊かなお料理を見て、歓声とともに、スマホで写真を撮るお客様続出。思わず、「カメラをお持ちのお客様は前へどうぞ」と声をかけてしまいました。

今回のてっこさんのお料理のテーマは、「夏を乗り切る和食の知恵」ということで、お寿司の知恵である「お酢でしめたお米のお料理」として、玄米をワインビネガーでしめたグレインズサラダ、少し油たっぷりの野菜炒めを冷やして固めのパン生地に乗せ、パン生地のカリっとした触感と野菜のジューシーさを味わえるカナッペなど、一度食べたら忘れられない美味の饗宴。主宰者の立場をすっかり忘れて楽しんでしまいました。

「親子の絆」というテーマを思いついた瞬間から、「だったら『ドン・カルロ』のフィリポ二世のアリアを、娘にチェロ伴奏してもらって親子共演で歌おう」と思い立ち、親孝行な娘の「いいよ」というありがたい返事をもらって、実現しました親子共演。

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親ばか発言なのは百も承知なんですが、チェロを始めてまだ3年弱ながら、確かな音程とフレーズ感で、いいチェロを聴かせてくれたと思います。女房には、「孤独な王の苦悩のアリアなのに、至福のアリアに聞こえたぞ」とからかわれましたが。

お料理の後、お酒も入った状態で歌った、高田三郎先生の「くちなし」は、冒頭の歌詞を間違えた上に、録音を聴くと全く歌になる以前の問題で、高田三郎先生に聞かせたらたぶん瞬殺されるような出来。とはいえ、やっぱり歌ってみると沁みる曲で、今回の挑戦を出発点に、何度も挑戦したい曲だと思いました。片づけを手伝ってくれた方が、ずっとこの歌を口ずさみながら椅子を片付けてくれていて、少なくとも「いい歌だな~」と思ってもらえたのかも、と思ったり。

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お開きの前に、お客様全員で「七つの子」を合唱。親子をテーマにした日本歌曲、ということで選んだのですけど、お客様の中には歌い手もたくさんいらっしゃったこともあり、大変分厚い立派な大合唱になりました。

演奏会や舞台というのは、出演者だけじゃなく、そこに集ったお客様も一緒に空気を作り上げるもの。ましてや、マエストローラ音楽院のようなこじんまりした空間を共有する時間は、出演者とお客様が一緒に作り上げる親密な時間です。パンフレットにも書きましたけど、この時間は、出演者とお客様が一緒に作り上げた、いわば子供のようなもの。この子供をさらに大事に育てていきたいと思います。今後とも、「Singspielersのさろん・こんさーと」、何卒ご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます!