GAG(Galleria Actors Guild)は、アマチュアオペラ制作集団「ガレリア座」で知り合った大津佐知子と北教之が、1996年に結成した劇団です。二人芝居を中心とした少人数の演劇・朗読劇などを不定期に上演し続け、2013年には第十回公演を開催しました。演劇だけでなく、歌曲なども交えたお茶会などを今後も発表し続けていきます。

10月以降の大津の舞台告知です

 

酷暑、という言葉がまさにぴったりだった季節もようやくひと段落、やっと秋めいてきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

GAG団員の2名は、まずは今月末に控えたガレリア座の「小鳥売り」の舞台稽古にいそしんでおりますが、大津の歌手活動は絶え間なく続いており、10月以降も大きな舞台がいくつも控えております。本日はそのあたりの告知をまとめて。まずは、すっかり常連になりました浅草オペラから。

 

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昨年10月に、浅草のど真ん中でのロングラン公演を行ってから、いまだに地方公演の話が時々出てくるこの企画、今回はなんと、福島県南会津町での公演。今回はなんといっても、昨年10月の浅草公演で、あっという間に我々を大正ロマンあふれる東京に連れて行ってくれた、活弁士麻生八咫さんが再び進行を務める、とのことで、会津の地に浅草オペラの空気がよみがえること必至です。

 

続いては、これまたおなじみとなりました、田中知子さんプロデュースのクロスオーバー企画、「シャンソン・フランセーズ」。

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今回はなんといっても、浅草オペラでもその圧倒的な存在感を見せてくださった、関定子さんと、同じく浅草オペラでキュートな魅力を振りまいた植木稚花さんの参加。常連メンバーも相変わらずのパフォーマンスで、昭和歌謡も交えて人生の喜怒哀楽を描き切ります。

 

そして大津の最大の挑戦となりますのが、モーツァルトのオペラ「コシ・ファン・トゥッテ」。喜劇を通して人間の奥底まで描き切ってしまったモーツァルトの音楽を味わい尽くすべく、日々譜面とバトルしております。大津はオペラの中で最もドラマの核となるフィオルディリージを演じます。

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怒涛のような本番舞台が重なる10月が過ぎましたら、年始にもう一つの舞台を経て、また面白い舞台に参加。なんと、ポーランド語のオペラです。

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先日言語指導のレッスンが行われたそうなのですが、歌い手の中から、「現地の方は本当にこの言語でこの音符で歌ってるんですよね?」という質問が飛んだそうです汗。難易度は大変高いですが、やりがいのあるオペラ。

 

おかげさまで様々な舞台で、様々な経験を積ませていただいており、それぞれ高いハードルながら、挑戦し甲斐のある舞台ばかり。こういう経験を一つ一つ着実にクリアしていくことが、また次の機会につながる、と、日々挑戦の日々です。

ガレリア座 第31回公演「小鳥売り」の宣伝でございます!

なんだか地上から人類を一掃しようとしているかのような酷暑が続いておりますが、皆さん、御無事でお過ごしでしょうか。GAGの2名はこの酷暑にもめげず、しぶとく舞台活動を続けております。本日は、かなり久しぶりにこの2人が同じ舞台に立つ、ガレリア座 第31回公演 カール・ツェラー作曲のオペレッタ「小鳥売り」の周知でございます。

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「小鳥売り」という演目には名曲がいっぱいあって、最も有名な「チロルのばら」を始め、よくソプラノのソロ曲として歌われる、「私は郵便配達のクリステル」、コミックソングの「試験監督の二重唱」など、オペレッタを少しかじった人なら耳にしたことがある曲がてんこ盛り。

伝統的なドイツの歌芝居、いわゆる「Singspiel」の約束ごとを受け継ぎつつ、ドイツ音楽らしい構造的にしっかりした楽曲が多く、合唱陣含め、ソリストもかなり苦労しながら練習に取り組んでいるところです。

大津は、どこかリヒャルト・シュトラウスの「ばらの騎士」のマルシャリンを彷彿とさせる、陰影のある役、大公妃マリーを、そして、北は、物語の狂言回しと言えるヴェプス男爵を演じます。ともに、歌い甲斐、演じ甲斐のある役ですが、変に力まず、作りこみ過ぎず、エキセントリックな役柄でもどれだけ自然に演じ、お客様に共感してもらえるか・・・を考えつつ取り組んでいます。

本番会場は練馬文化センター。9月30日(日)14時開演、と、あと2か月ちょっと先の公演ではありますが、例によってチケットは売るほどございますので、ご興味のある方は、下記までご連絡ください。チケットぴあでも取り扱っておりますが、大津と北から直接お買い求めいただいた方が、座席もお値段も色々とご相談に乗ることが可能です。

連絡先は、いつものこちらでございます!

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ご連絡お待ちしております!

 

 

夏の大津の舞台活動宣伝でございます。

気が付けばこのGAGのブログ、3か月も更新せずにおりました・・・活動休止しちゃったんじゃないか、と思われた方もいらっしゃったかも。実態は全く逆で、4月は大津の「天国と地獄」があり、5月はガレリア座の「こうもり」があり、6月はサロンコンサートがあり・・・と、立て続けの本番に更新が追い付かなかったのが実態でございます。大変申し訳ございません。

本番舞台の感想などは、北の日記(→singspielerの日記)をご覧いただくとして、このブログでは、とにかく先々の公演の宣伝を次々と掲載させていただきます。本日は、7月から8月にかけて大津が出演する舞台の数々を。おかげさまで沢山の舞台にお声をかけていただき、本当にありがたい限りです。

まずは、こちら。

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東京室内歌劇場の「浅草オペラ」公演で、素晴らしいピアノ(だけじゃない)パフォーマンスを聞かせてくださった山田武彦先生が、クラシックから歌謡曲まで、めくるめくクロスオーバーな歌の世界を展開する夢のような演奏会。場所もあの浜離宮ホール。果たして大津はこの曲目リストの中のどの曲を歌うのか、それは当日のお楽しみ。

月が変わって、8月はまずこちら。

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昨年夏に同じ「たちかわ真夏の夜の演劇祭」で、大津は「シンデレラ」のタイトルロールを演じました。今回は、あの「ヘンゼルとグレーテル」。フンパーディンクの音楽はどこを切り取ってもキラキラと美しく、誰もが知っているグリム童話のファンタジーを夢色に染め上げます。大津はグレーテル役で。北としては、府中の合唱団で知らない人のいない櫛田先生がソリストに加わっているのも見逃せないポイント。

8月はなんと3本の本番舞台。2番目は皆様お待ちかねのこちらです!

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なんと3回目となりました、東京室内歌劇場の実力派女性アンサンブル、「万年筆女子会」のコンサート。今回は、民謡、をテーマにお送りします。「歌は千年、筆は万年」というキャッチコピーは大津の作品。どこまで万年筆好きやねん。なんと今回は土曜日に二公演開催!チケットは売るほどございます、とのことですので、みなさん渋谷へGO!

そして8月の最後を飾るのは、この熱い曲でございます。

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大津は常々、「カルメン」の中のジプシーたちの五重唱、中でもフラスキータが歌いたい、と言っておりました。今回は夢がかなっての舞台。渋谷の伝承ホールが真っ赤に染まります!

 

9月の末にはガレリア座の大きな舞台があり、まさに切れ目なし、という感じですが、歌う機会を与えていただけるのは本当にありがたいこと。一つ一つの一期一会の機会を、お客様と一緒に楽しむことができたら、と思います。ごひいき筋の皆様方、なにとぞなにとぞよろしくお願い申し上げます!

 

今年もやりますサロン・コンサート!!

急に初夏の陽気かと思えば風が吹き荒れて大気中に禍々しいものが大量に飛散している今日この頃、皆さん鼻腔はお元気ですか?!北の鼻腔は多少慣れてきたようですが、今日は半端なく目が痒いです泣。

さて、まだ本格的な春も近づいたり離れたり、という時期にも関わらず、若干気が早いかもしれませんが、3か月後のGAGプロデュース公演の宣伝をさせていただければ、と思います。今年もやります、Singspielersのサロン・コンサート、今年は6月10日に、渋谷のラトリエにて開催します!そして、今回のテーマは「わるいやつら」。

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オペラがその音楽にのせて描き出す様々なドラマには、魅力的な悪役の存在が欠かせません。有名なヴェルディの「オテロ」に登場するイアーゴや、プッチーニの「トスカ」に出てくるスカルピアなど、まさに悪の権化のような「わるいやつら」。

その美貌と肉体の魅力で、関わる男たちを破滅に導いてしまう、有名なカルメンや、「サムソンとデリラ」のデリラのような、稀代の悪女たち。

さらに、そこまで悪に徹するわけでもなく、どこかお人よしで憎めない、なんとも薄っぺらな悪事を企んでは、ちょっとつつくとすぐオタオタしてしまう、いわゆる小悪党もぞろぞろいます。モーツァルトの「魔笛」のモノスタトスや、ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」のドン・バルトロなどなど。

そして、こんな「わるいやつら」の歌う歌が、また実に人間臭くっていい歌が多いんです。嫉妬に狂うむき出しの感情や、独特の悪の美学、あるいはなんともみみっちい悪だくみなど、自分の欲望や感情に忠実に歌われる悪役たちの、魅力あふれる歌の数々。今日はそんな、オペラが生み出した様々な「わるいやつら」の歌を、皆さんとともに楽しんでいきたいと思います。

いつもの新宿御苑の会場を飛び出し、渋谷のラトリエという、少し広い会場での今回の公演、お客様の数もいつもの倍・・・ということで、出演者一同、集客も含めて、気合を入れてまいりたいと思います。現在、絶賛練習&暗譜と格闘中!頑張りますので、お暇とご興味のある方は、是非是非上記チラシの連絡先までご一報ください!

4月、せんがわ劇場にて、「天国と地獄」ユリディスを大津が演じます!

寒い日が長く続きましたが、急に空気が温かくなってきましたね。近所の梅もいい感じに満開になってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、先日、2018年のGAG団員の舞台スケジュールを紹介させていただきましたが、その中で、少しタイミングが悪く、具体的に書けなかった大津の出演舞台について、本日周知させていただきます。

4月26日~4月30日に、調布市せんがわ劇場で開催される「東京室内歌劇場 スペシャルウィーク2018」にて、オッフェンバック作曲「天国と地獄」が上演されます。

大津は、そのヒロイン、ユリディスを演じることとなりました。

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このせんがわ劇場のシリーズに大津が最初に出演したのが、第二回公演で上演された、同じくオッフェンバックの「市場のかみさんたち」。その後のせんがわ劇場のシリーズの全て(「利口な女狐の物語」の雄鶏、「子供と魔法」のりす、「小さな煙突掃除人」の少年、「魔笛」のアンサンブル)に連続出演してきましたが、今回はオッフェンバックの代表作ともいえる「天国と地獄」のヒロイン。そしてこの「天国と地獄」は、ガレリア座が以前に上演したことがあり、その時にジュピターを演じた北にとっても思い出深い演目。ジュピターとユリディスが歌う抱腹絶倒のデュエット「ハエの二重唱」は、北にとっても大津にとっても、大事なレパートリーの一つです。

 

「市場のかみさんたち」もそうですが、オッフェンバックの音楽は、そもそもがパリのキャバレーの幕間劇のような猥雑さとパロディ精神に満ち溢れています。「天国と地獄」も、有名なグルックのオペラ「オルフェオとエウリディーチェ」のパロディであり、当時のナポレオン三世第二帝政に対する痛烈な風刺になっています。ハエに変身してまで美女を追いかけるジュピターの姿は、好色で有名だったナポレオン三世自身の反映であるにも関わらず、ナポレオン三世オッフェンバックの作品の大ファンで、舞台を見て腹を抱えて大笑いしていたというから、いったいどういう神経の持ち主だったのやら。

 

ユリディスは地獄の王プルートと神の王ジュピターに愛される絶世の美女。「モテ期来た~」と大津も張り切っております。先日開催された、せんがわ劇場のサンデー・マチネコンサートでも、一幕のクプレと「ハエの二重唱」を披露し、好評だったとのこと。4月の本番舞台で、客席と舞台が混然一体となるせんがわ劇場の空間が、どんな色に染まるのか、今から本当に楽しみです。お時間のある方は、是非是非せんがわ劇場へ!

2018年のGAG活動スケジュールです!

前回の更新から少し間が空いてしまいました。大雪の日からまだまだ寒い日が続きますが、皆様いかがおすごしでしょうか?

ご無沙汰している間にも、GAG団員の舞台活動は途切れず続いており、12月22日には、大津が出演したAmerican Composers GALAが好評のうちに終演、年明けを迎えております。1月のキリのいいところで、2018年のGAG団員の演奏活動について、今お知らせできる範囲内で告知させていただければと思います。最初の舞台は2月から。昨年大好評だった、浅草100年記念、「ああ 夢の街 浅草!」の舞台が、あのアルテ・リーベで再現されます!

 

・2月10日(土)浅草オペラディナーショー @アルテリーベ東京

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・2月25日(日)東京春のコーラスコンテスト(いわゆる「春こん。」)に、北の所属する合唱団「麗鳴」が出演します。今回取り上げるのは、田中達也さんの「ミライノコドモ」。その中から2曲、「あの人が来て」「子供と本」を歌います。平明なのに深い谷川俊太郎の言葉世界が、田中達也さんのガラス細工のようなハーモニーで鮮やかに描かれる名曲。

 

・同じ2月25日(日)調布市せんがわ劇場のサンデー・マティネ・コンサートに東京室内歌劇場の歌い手が出演。大津も出演予定です。 

 

・3月18日(日)「ああ 夢の街 浅草!」山田武彦と東京室内歌劇場大阪公演 @ザ・シンフォニーホールに、大津が出演。大津にとっては初めての「旅公演」となります。

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・4月27日~30日 毎年開催されている、東京室内歌劇場スペシャルウィークせんがわ劇場オペレッタ公演に、大津が出演予定。

 

・5月27日(日)ガレリア座 第30回公演 日本ヨハン・シュトラウス協会管弦楽団協力特別公演 オペレッタ「こうもり」(@江戸川区総合文化センター)に、北が合唱の一員として参加します。ガレリア座の立ち上げ公演で取り上げたオペレッタの定番「こうもり」。懐かしいメロディーに今からめろめろ。

 

・6月10日(日)GAGプロデュース公演 Singspielersのサロン・コンサートAct.4「わるいやつら」を、渋谷のラトリエで開催します。オペラに登場する様々な「悪党」たちの魅力あふれるアリアや、陰謀渦巻く重唱、どこか可愛げのある小悪党たちのアンサンブルなどを取り上げる予定。お楽しみに!

 

・7月21日 浜離宮ホールで開催されるコンサートに大津が出演予定。

 

・8月11・12日 たましんリスルホールで開催されるオペラ公演に大津が出演予定。

 

・8月25日 渋谷ラトリエで開催されるサロン・コンサートに大津が出演予定。

 

・9月30日(日)ガレリア座 第31回公演 K.ツェラー作曲 喜歌劇「小鳥売り」(@練馬文化センター)に、大津と北がソリストとして出演予定です。

 

・10月24日(水)渋谷伝承ホールで開催されるコンサートに大津が出演予定。

 

・12月15日(土)合唱団「麗鳴」定期演奏会(@府中の森芸術劇場ウィーン・ホール)。創立30周年記念演奏会、ということで、盛りだくさんな演奏会になりそうです!

 

大津出演の舞台については簡単な記述になっているのですが、詳細が決まりましたら、このサイトで随時周知させていただきます。2018年もガッツリ濃いぃい一年になりそうです!今年もGAGの活動にご注目ください!

 

「子供と魔法」長谷部画伯のイラスト一挙掲載!

本日、渋谷エレクトーンシティで開催された、東京シティオペラ協会主催公演、「2つのオペラ」無事終演いたしました。先日この日記で緊急告知したのですが、この演奏会の第二部で、GAG公演の「南の島のティオ」でずっとイラストを担当してくれている、長谷部和也さんのイラストスライドが、公演を彩りました。物語のファンタジー性と多層的な意味世界をしっかり描きこんだこのイラスト、本番会場の映写だけで終わってしまうのはもったいないねぇ、という話をし、長谷部さんご本人に、このブログでの掲載許可をいただいて、全イラストを掲載します。ただ、オリジナル画像をそのまま掲載すると、色々と問題が起こりそうなので、サイズは40%に縮小しております。本番会場の雰囲気を、少しでも味わっていただければ幸いです。

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オープニング。もうこれ見ただけでワクワク!

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宿題は嫌だ!ママの言いつけを破り、リスをいじめて、壁紙を破いて、子供は大暴れ!

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突然魔法がかかったように動き出し、歌いだす家具たち。これであの子に蹴飛ばされない。あの子にはうんざり、と歌う椅子たち。振り子を取られて壊れてしまった時計は、「私を壊さなければこの家は平和だったのに。誰も死ぬこともなかったろうに」と歌います。

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子供に壊されてしまったティーポットと中国茶碗は、ボクサーとカンフーの達人風に子供を脅しつけます。一発、ノックアウトしてやるぜ!ハラキリ、セッシュー、ハヤカワ、これがチャイナの技よ!

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おびえてぶるぶる震えながら、暖炉のそばに寄ってきた子供に、暖炉の中から火が飛び出してきます。悪い子はお仕置きだ、悪い子はどこにいる?

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子供に破られてしまった壁紙に描かれた羊飼いの少年と少女。引き裂かれた二人の悲しい恋を歌います。もう羊たちにも会えない、あの子は生まれた時は僕らに微笑みかけたのに・・・

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後悔にさいなまれる子供の前に、破り捨てられた絵本のお姫様が現れます。子供の初恋の人。でも子供が本の後半を破り捨ててしまったから、お姫様を助けてくれる王子様は永遠に現れない・・・

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本を探す子供が開いたのは算数の教科書。算数の老人が飛び出してきて、めちゃくちゃな計算問題をわめきたてます。ロクニ、ジュウゴ!ハチゴ、サンジュウ!デカメートル、キロメートル、タマシイノジュギョウヲ、ハジメートル!

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あたまがぼんやりしてきた子供の前に、続いて現れたのは、白猫と黒猫。盛りのついた猫たちは絡み合い、子供が見てはいけない大人の世界を垣間見せます。

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家を飛び出していった猫を追いかけて、庭に出た子供。夜の空気に触れて心地よい気分になったのもつかの間、子供のいたずらで傷つけられた木や、夫を奪われたトンボが子供を責めます。お前が盗んだナイフでつけたこの傷が痛む・・・私の愛するあの人をお前はどこにやってしまったの?壁にピンで留めちゃった・・・

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妻を殺されたコウモリの怒りの歌。そして、カエルたちの踊り。子供はカエルに近づいて、捕まえようとします。

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リスは、籠から逃げ出したばかりで弱っています。ゲホゲホとせき込みながら、カエルに、「お前、捕まるぞ!」と警告するのですが、カエルは聞く耳を持ちません。子供はリスに、僕が君を捕まえたのは、君が可愛くて、よく見たかったから、と歌いかけます。リスと子供の間に、他の動物にはない心の通い合いが見える一瞬。

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孤立感を深める子供・・・たまらず、「ママ!」と叫ぶ子供を、庭の木や動物たちが見つけて、責めつけます。悪い子、意地悪な子だ!リスはそんな子供をかばって、かえって傷ついてしまいます。

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傷ついたリスを、自分のリボンで手当てした子供は、自分も傷ついて気を失ってしまいます。思いがけない子供の優しさに触れた動物や植物たちは、なんとかして子供を救おうとします。僕たちじゃこの子を治せない。そうだ、この子が呼んでいたあの人を呼ぼう。ママ、ママ!

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子供を許し、母親の胸に届ける動物と植物のコラール。そして、やさしいお母さんの胸に抱かれて、子供は心から安堵して呟くのです。「ママ!」

 

ラヴェルが、亡き母親への思慕と、孤独な自分を、自責の思いや後悔、そして万物への愛をこめて描きこんだオペラ「子供と魔法」。渋谷エレクトーンシティがラヴェルの想いに染まった、素敵な時間を過ごすことができました。長谷部くん、掲載許可ありがとうございました。本当にいいイラストだよねー。GAGの「南の島のティオ」のシリーズも、しばらく凍結状態になっているけど、いつか再開するからねー。