GAG(Galleria Actors Guild)は、アマチュアオペラ制作集団「ガレリア座」で知り合った大津佐知子と北教之が、1996年に結成した劇団です。二人芝居を中心とした少人数の演劇・朗読劇などを不定期に上演し続け、2013年には第十回公演を開催しました。演劇だけでなく、歌曲なども交えたお茶会などを今後も発表し続けていきます。

4月、せんがわ劇場にて、「天国と地獄」ユリディスを大津が演じます!

寒い日が長く続きましたが、急に空気が温かくなってきましたね。近所の梅もいい感じに満開になってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、先日、2018年のGAG団員の舞台スケジュールを紹介させていただきましたが、その中で、少しタイミングが悪く、具体的に書けなかった大津の出演舞台について、本日周知させていただきます。

4月26日~4月30日に、調布市せんがわ劇場で開催される「東京室内歌劇場 スペシャルウィーク2018」にて、オッフェンバック作曲「天国と地獄」が上演されます。

大津は、そのヒロイン、ユリディスを演じることとなりました。

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このせんがわ劇場のシリーズに大津が最初に出演したのが、第二回公演で上演された、同じくオッフェンバックの「市場のかみさんたち」。その後のせんがわ劇場のシリーズの全て(「利口な女狐の物語」の雄鶏、「子供と魔法」のりす、「小さな煙突掃除人」の少年、「魔笛」のアンサンブル)に連続出演してきましたが、今回はオッフェンバックの代表作ともいえる「天国と地獄」のヒロイン。そしてこの「天国と地獄」は、ガレリア座が以前に上演したことがあり、その時にジュピターを演じた北にとっても思い出深い演目。ジュピターとユリディスが歌う抱腹絶倒のデュエット「ハエの二重唱」は、北にとっても大津にとっても、大事なレパートリーの一つです。

 

「市場のかみさんたち」もそうですが、オッフェンバックの音楽は、そもそもがパリのキャバレーの幕間劇のような猥雑さとパロディ精神に満ち溢れています。「天国と地獄」も、有名なグルックのオペラ「オルフェオとエウリディーチェ」のパロディであり、当時のナポレオン三世第二帝政に対する痛烈な風刺になっています。ハエに変身してまで美女を追いかけるジュピターの姿は、好色で有名だったナポレオン三世自身の反映であるにも関わらず、ナポレオン三世オッフェンバックの作品の大ファンで、舞台を見て腹を抱えて大笑いしていたというから、いったいどういう神経の持ち主だったのやら。

 

ユリディスは地獄の王プルートと神の王ジュピターに愛される絶世の美女。「モテ期来た~」と大津も張り切っております。先日開催された、せんがわ劇場のサンデー・マチネコンサートでも、一幕のクプレと「ハエの二重唱」を披露し、好評だったとのこと。4月の本番舞台で、客席と舞台が混然一体となるせんがわ劇場の空間が、どんな色に染まるのか、今から本当に楽しみです。お時間のある方は、是非是非せんがわ劇場へ!

2018年のGAG活動スケジュールです!

前回の更新から少し間が空いてしまいました。大雪の日からまだまだ寒い日が続きますが、皆様いかがおすごしでしょうか?

ご無沙汰している間にも、GAG団員の舞台活動は途切れず続いており、12月22日には、大津が出演したAmerican Composers GALAが好評のうちに終演、年明けを迎えております。1月のキリのいいところで、2018年のGAG団員の演奏活動について、今お知らせできる範囲内で告知させていただければと思います。最初の舞台は2月から。昨年大好評だった、浅草100年記念、「ああ 夢の街 浅草!」の舞台が、あのアルテ・リーベで再現されます!

 

・2月10日(土)浅草オペラディナーショー @アルテリーベ東京

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・2月25日(日)東京春のコーラスコンテスト(いわゆる「春こん。」)に、北の所属する合唱団「麗鳴」が出演します。今回取り上げるのは、田中達也さんの「ミライノコドモ」。その中から2曲、「あの人が来て」「子供と本」を歌います。平明なのに深い谷川俊太郎の言葉世界が、田中達也さんのガラス細工のようなハーモニーで鮮やかに描かれる名曲。

 

・同じ2月25日(日)調布市せんがわ劇場のサンデー・マティネ・コンサートに東京室内歌劇場の歌い手が出演。大津も出演予定です。 

 

・3月18日(日)「ああ 夢の街 浅草!」山田武彦と東京室内歌劇場大阪公演 @ザ・シンフォニーホールに、大津が出演。大津にとっては初めての「旅公演」となります。

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・4月27日~30日 毎年開催されている、東京室内歌劇場スペシャルウィークせんがわ劇場オペレッタ公演に、大津が出演予定。

 

・5月27日(日)ガレリア座 第30回公演 日本ヨハン・シュトラウス協会管弦楽団協力特別公演 オペレッタ「こうもり」(@江戸川区総合文化センター)に、北が合唱の一員として参加します。ガレリア座の立ち上げ公演で取り上げたオペレッタの定番「こうもり」。懐かしいメロディーに今からめろめろ。

 

・6月10日(日)GAGプロデュース公演 Singspielersのサロン・コンサートAct.4「わるいやつら」を、渋谷のラトリエで開催します。オペラに登場する様々な「悪党」たちの魅力あふれるアリアや、陰謀渦巻く重唱、どこか可愛げのある小悪党たちのアンサンブルなどを取り上げる予定。お楽しみに!

 

・7月21日 浜離宮ホールで開催されるコンサートに大津が出演予定。

 

・8月11・12日 たましんリスルホールで開催されるオペラ公演に大津が出演予定。

 

・8月25日 渋谷ラトリエで開催されるサロン・コンサートに大津が出演予定。

 

・9月30日(日)ガレリア座 第31回公演 K.ツェラー作曲 喜歌劇「小鳥売り」(@練馬文化センター)に、大津と北がソリストとして出演予定です。

 

・10月24日(水)渋谷伝承ホールで開催されるコンサートに大津が出演予定。

 

・12月15日(土)合唱団「麗鳴」定期演奏会(@府中の森芸術劇場ウィーン・ホール)。創立30周年記念演奏会、ということで、盛りだくさんな演奏会になりそうです!

 

大津出演の舞台については簡単な記述になっているのですが、詳細が決まりましたら、このサイトで随時周知させていただきます。2018年もガッツリ濃いぃい一年になりそうです!今年もGAGの活動にご注目ください!

 

「子供と魔法」長谷部画伯のイラスト一挙掲載!

本日、渋谷エレクトーンシティで開催された、東京シティオペラ協会主催公演、「2つのオペラ」無事終演いたしました。先日この日記で緊急告知したのですが、この演奏会の第二部で、GAG公演の「南の島のティオ」でずっとイラストを担当してくれている、長谷部和也さんのイラストスライドが、公演を彩りました。物語のファンタジー性と多層的な意味世界をしっかり描きこんだこのイラスト、本番会場の映写だけで終わってしまうのはもったいないねぇ、という話をし、長谷部さんご本人に、このブログでの掲載許可をいただいて、全イラストを掲載します。ただ、オリジナル画像をそのまま掲載すると、色々と問題が起こりそうなので、サイズは40%に縮小しております。本番会場の雰囲気を、少しでも味わっていただければ幸いです。

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オープニング。もうこれ見ただけでワクワク!

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宿題は嫌だ!ママの言いつけを破り、リスをいじめて、壁紙を破いて、子供は大暴れ!

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突然魔法がかかったように動き出し、歌いだす家具たち。これであの子に蹴飛ばされない。あの子にはうんざり、と歌う椅子たち。振り子を取られて壊れてしまった時計は、「私を壊さなければこの家は平和だったのに。誰も死ぬこともなかったろうに」と歌います。

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子供に壊されてしまったティーポットと中国茶碗は、ボクサーとカンフーの達人風に子供を脅しつけます。一発、ノックアウトしてやるぜ!ハラキリ、セッシュー、ハヤカワ、これがチャイナの技よ!

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おびえてぶるぶる震えながら、暖炉のそばに寄ってきた子供に、暖炉の中から火が飛び出してきます。悪い子はお仕置きだ、悪い子はどこにいる?

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子供に破られてしまった壁紙に描かれた羊飼いの少年と少女。引き裂かれた二人の悲しい恋を歌います。もう羊たちにも会えない、あの子は生まれた時は僕らに微笑みかけたのに・・・

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後悔にさいなまれる子供の前に、破り捨てられた絵本のお姫様が現れます。子供の初恋の人。でも子供が本の後半を破り捨ててしまったから、お姫様を助けてくれる王子様は永遠に現れない・・・

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本を探す子供が開いたのは算数の教科書。算数の老人が飛び出してきて、めちゃくちゃな計算問題をわめきたてます。ロクニ、ジュウゴ!ハチゴ、サンジュウ!デカメートル、キロメートル、タマシイノジュギョウヲ、ハジメートル!

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あたまがぼんやりしてきた子供の前に、続いて現れたのは、白猫と黒猫。盛りのついた猫たちは絡み合い、子供が見てはいけない大人の世界を垣間見せます。

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家を飛び出していった猫を追いかけて、庭に出た子供。夜の空気に触れて心地よい気分になったのもつかの間、子供のいたずらで傷つけられた木や、夫を奪われたトンボが子供を責めます。お前が盗んだナイフでつけたこの傷が痛む・・・私の愛するあの人をお前はどこにやってしまったの?壁にピンで留めちゃった・・・

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妻を殺されたコウモリの怒りの歌。そして、カエルたちの踊り。子供はカエルに近づいて、捕まえようとします。

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リスは、籠から逃げ出したばかりで弱っています。ゲホゲホとせき込みながら、カエルに、「お前、捕まるぞ!」と警告するのですが、カエルは聞く耳を持ちません。子供はリスに、僕が君を捕まえたのは、君が可愛くて、よく見たかったから、と歌いかけます。リスと子供の間に、他の動物にはない心の通い合いが見える一瞬。

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孤立感を深める子供・・・たまらず、「ママ!」と叫ぶ子供を、庭の木や動物たちが見つけて、責めつけます。悪い子、意地悪な子だ!リスはそんな子供をかばって、かえって傷ついてしまいます。

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傷ついたリスを、自分のリボンで手当てした子供は、自分も傷ついて気を失ってしまいます。思いがけない子供の優しさに触れた動物や植物たちは、なんとかして子供を救おうとします。僕たちじゃこの子を治せない。そうだ、この子が呼んでいたあの人を呼ぼう。ママ、ママ!

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子供を許し、母親の胸に届ける動物と植物のコラール。そして、やさしいお母さんの胸に抱かれて、子供は心から安堵して呟くのです。「ママ!」

 

ラヴェルが、亡き母親への思慕と、孤独な自分を、自責の思いや後悔、そして万物への愛をこめて描きこんだオペラ「子供と魔法」。渋谷エレクトーンシティがラヴェルの想いに染まった、素敵な時間を過ごすことができました。長谷部くん、掲載許可ありがとうございました。本当にいいイラストだよねー。GAGの「南の島のティオ」のシリーズも、しばらく凍結状態になっているけど、いつか再開するからねー。

 

直前の告知で申し訳ございません! 12月3日(日)東京シティオペラ「子供と魔法」に大津が出演いたします!

急速に冬めいてきて、街中のクリスマスツリーがやっと気候とマッチしてきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。GAG団員の大津と北が久しぶりに共演したガレリア座の「ホフマン物語」も先日無事に終演、いつもなら、このブログでそのレポートを書くところなのですが、今日はそれよりも優先しなければならない重大告知。直前のお知らせになってしまい大変申し訳ないのですが、この週末の日曜日、12月3日、渋谷エレクトーンシティにて開催される、東京シティオペラ協会主催の演奏会に、大津が出演いたします!

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なぜこの演奏会の告知が重大告知か、というと、GAG団員の大津が、東京室内歌劇場で以前参加した「子供と魔法」に再び出演する、というのもさることながら、大津が出演する「子供と魔法」に、GAGで大変お世話になっている方が関わっているからです。上に掲げたちらしの画像をご覧になった方は気づかれたかもしれませんが、GAGでずっとシリーズ上演している、「南の島のティオ」のイラストを初回から手掛けてくれている、「やへくん」こと、長谷部和也さんが、「子供と魔法」の挿絵を担当しているのです。GAGゆかりの方が関わる、となれば、このブログで告知せずしてどうする。といいつつ、「ホフマン物語」の多忙に紛れて直前の告知になってしまった。やへくんごめんね。

今回の「子供と魔法」は、演奏会形式で上演されるのですが、なにせ生身の人間は子供とお母さんしか出てこず、あとは全部、動物や家具、絵本の中のお姫様や壁紙の絵、というオペラ。歌い手がただ立ち上がって歌うだけじゃなく、何かしらビジュアルで補う必要があるかな、という話になった時に、「そういえば大津がやっていたGAG公演で、長谷部さんが描いていたイラストスライドが素晴らしかった」ということで、長谷部さんが今回のイラストを担当することになったのだそうです。

実は本番スライドの映写担当は北なので、北の手元にはすべてのスライドがそろっているのですが、どのイラストも、長谷部さんらしいポップさと、シンプルなようで意外と細かくこだわって描きこまれたディテールが絶妙なバランス。多層的で隠喩に満ちたラヴェルの音楽世界に見事にマッチしている。先日この舞台のリハーサルがあったのですが、映写されたスライドを見て、出演者の皆さんが一斉に歓声を上げてらっしゃって、なんだか自分の絵が褒められたような気分で嬉しかったです。

長谷部さんの美しいイラストに負けず劣らず、出演者のみなさんも粒ぞろいの歌唱をきかせてくださっています。大津はその中で、子供の初恋の人、絵本の中のお姫様と、森の中に現れるこうもり、そしてアンサンブル合唱を歌っています。この第二部の「子供と魔法」だけでなく、第一部のドビュッシー「放蕩息子」も、本当に素晴らしい曲で、小宮さん、下村さん、佐藤さんの3人のアンサンブルが見事。シティオペラ公演を支える赤塚先生のエレクトーン伴奏の無限の音色、確かなビートを刻む大杉先生のクラビノーバと、全体をがっつりまとめる竹内先生のタクトも一級品。ちなみに、「子供と魔法」の訳詞は、大津がシャンソン・フランセーズでお世話になっているフランスオペラの第一人者、和田ひできさん。ますます縁の深い公演。

お客様と歌い手の距離がこんなに近いこの規模の会場で、このクオリティのオペラが聴ける、というのが、東京シティオペラ協会の渋谷エレクトーンシティ公演の醍醐味。その渋谷エレクトーンシティも、いよいよ今年いっぱいで閉館し、ビルの解体工事も近々始まってしまうそうです。渋谷エレクトーンシティの濃密な空間を楽しめるのもこれが最後の機会かも。お時間とご興味のある方は、是非渋谷に足をお運びください。当日券もあるそうです!

 

まずは11月のガレリア座舞台の告知です!

少し更新が滞ってしまいましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。10月は大津の本番舞台が重なっており、北も、生業の会社員生活の傍ら、大津の舞台の鑑賞とその感想文書きにいそしんでおります(北の個人日記、singspielerの日記に掲載しております。こちらも是非ご覧ください!)。こちらのブログにも、別途、10月の活動報告としてレポートする予定。

といいつつ、本日は、まずは、来る11月26日に開催される、ガレリア座のオペラ舞台のご案内をさせていただきます。

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ガレリア座がまだ発足して間もないころ、無謀にも挑戦したオペラ全幕公演がこの「ホフマン物語」。1995年ですから、もう22年前になります。そして今回の公演では、大津が、歌に命をささげる三幕のヒロイン、アントニアを、北が、22年前に演じた同じ役、アントニアの父、クレスペルを演じます。同じ舞台でGAG団員の二人が共演するのは、2年前のガレリア座公演「悪魔のロベール」以来となります。

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先日、岩井海岸で行われた合宿での通し稽古。ガレリア座の特徴は、歌い手だけでなく、バレエ、オーケストラから、美術デザイン、衣装に至るまで、アマチュアの団員たちが自ら手掛けていること。そしてもう一つ、プロの舞台と比べて格段に長くて多い練習日数も、この団体の特徴。アマチュアといえども、自分たちの能力の届く限り、いいものを作り上げようとする熱意の表れ、といえばカッコイイですが、本当にバカな連中が集まったもんです。そんな熱意が嵐を呼んだのか、先日の岩井海岸の合宿には台風21号が直撃、練習会場周辺が広域停電して空調も止まる中、文字通り熱気に満ちた通し稽古になりました。

大津の演じるアントニアは、歌うことが自分の命を削る病を抱える天才歌手。歌に身を捧げて自ら滅んでいく姿は、果たして悪魔の思惑なのか、それとも彼女自身が望んだ道だったのか・・・様々な思いを込めて歌います。

北の演じるクレスペルは、テノールバリトン・バスの重々しい三重唱を下支えする役。オッフェンバックは「美しきエレーヌ」というオペレッタでも同じような編成の男声三重唱を書いていますが、ドイツ的な構築美を愛したオッフェンバックらしい、がっちりした構造の三重唱になっており、これを激情に流されずにいかに端正に歌いきるか、というのが、北の大きな課題となっています。

22年の時を経ての再演、あの頃には見えなかった楽譜の行間をなめるように探る作業も、いよいよあと一か月。アマチュアならではの熱のこもった舞台に、プロの洗練された舞台とは別の満足感が得られると思います。残席多数!11月26日、パルテノン多摩にて、皆さんをお待ちしております。チケットのご用命は、直接下記の連絡先までご連絡ください!

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10月の大津の舞台活動です!

天気の変化の激しい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。今日は、10月の大津の舞台活動を2つ、ご紹介いたします。2つ、と言いながら、出演日は10月中で4日。まぁ大忙しの一か月となります。

一つ目は、浅草オペラ100年記念公演「歌と活弁士で誘う ああ夢の街 浅草!」

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東京室内歌劇場の歌い手70名がほぼ一か月間に渡って繰り広げる全21公演。浅草オペラの代表曲であり、昭和初期にも歌われていた「恋はやさし野辺の花」「洒落男」「ベアトリ姉ちゃん」などの名曲だけでなく、「コロッケの唄」「おてくさん」など、浅草オペラのチャレンジ精神が生み出したオリジナル曲、そして、浅草風の無国籍テイストにアレンジされたオペラの定番曲「カルメン」、当時の最新ムーブメントであるアメリカンジャズを和風に変換した「月光値千金」など、西洋音楽を貪欲に取り込んだ大正デカダンスの空気そのままの、まさになんでもありの舞台。上演されるのは浅草東洋館。大津の出演日は、10月4日(水)、10月12日(木)、10月25日(水)の3回です。いずれも18時30分開演。関東大震災で灰燼と化すまでのわずか6年間で、その後の日本のエンターテイメントを根本的に変えた革新のムーブメント、浅草オペラのパワーをお楽しみください!

 

もう一つの出演舞台が、ピアニスト田中知子さんプロデュースによる「シャンソン・フランセーズ」。

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フランスシャンソンの定番曲だけでなく、田中知子さんの愛してやまない昭和歌謡の名曲なども交えた、エスプリあふれるステージ。大津のメイド服コスプレなどもあるそうです。メイド服は佐橋美起さんから借りるそうです。なんとコメントしてよいものやら。

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様々な歌や人、本番舞台との一期一会の出会いに日々感謝しつつ・・・お時間のある方は是非、浅草または渋谷に、足を運んでいただければと思います!

混声合唱団 麗鳴 定期演奏会、盛会のうちに終演しました。

なんとなく秋めいた天候になってきた今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。芸術の秋、ということもあり、GAG団員出演の演奏会や舞台はこれから数か月間目白押しです。近日中にまとめて周知いたしますが、今日はまず、先日、9月2日に、盛会のうちに終演しました、北が所属しております混声合唱団 麗鳴の演奏会のレポートです。

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今回のチラシ・パンフレットの共通テーマが、「日めくりカレンダー」。デザイナーの麗鳴の団員さん、F田さんのセンスが光ります。

 

第一ステージに歌った、北川昇先生のアカペラ組曲「今日も」は、工藤直子さんのビビッドな歌詞と、北川先生のクリアな和音のコラボレーションが絶妙。麗鳴は、この中の数曲を、今年の東京春のコーラスコンテスト(いわゆる「春こん。」)で歌っています。少人数でじっくり煮詰めた経験のおかげで、いつもは苦手にしているアカペラの曲も、それなりに自信をもって歌えた気がしています。

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今回の演奏会の目玉の一つが、第二ステージに演奏しました「パイプオルガン伴奏曲」。本番会場の府中の森芸術劇場ウィーンホールには、とても立派なパイプオルガンがあり、麗鳴は十数年前に、一度このオルガン伴奏で演奏したことがあったそうです。北が入団するよりずいぶん前のことで、記憶も薄れてきている今、「このパイプオルガンを伴奏に、本格的な宗教曲をやりたい」という話が出てきた。そこで、日々の仕事に疲れ果てた某団員が、「髙田三郎の『来なさい重荷を負うもの』を、オルガン伴奏で歌ってみたい」という声を上げ、このステージの企画がスタート。

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プログラムはこんな感じ。千原先生の「Cantate Domino」をはじめ、なかなかオルガン伴奏で聞く機会の少ない曲が並びました。第一ステージがアカペラだったこともあり、ステージ冒頭にオルガンが壮大な和音を鳴らすと、檀上にいてもテンションが上がる感覚がありました。

ちなみに、オルガンを伴奏してくださった関本恵美子先生は、北がサロンコンサートで共演している歌い手と知り合いだった、という・・・世間って狭いですよね~。

続いての第三ステージは、ヒットメドレー「YUME」。編曲者の三沢治美先生と麗鳴とは結構縁が深く、「SORA」「LOVE」に続き、このヒットメドレーのシリーズを取り上げるのは3回目になります。前回2回は演出付きでの演奏でしたが、今回は、しっかり歌だけで表現してみよう、ということで、演出は特になし。(演出担当の北のアイデア切れ、というのもあったりして)

懐かしいメロディーと鮮やかな編曲、そして、三沢先生ご本人のご来場や、新作のご披露などにも助けられ、最終ステージに向けてのいい空気感を作り上げることができました。三沢先生は、お身内の方が球団経営に尽力されていた長野の独立リーグ球団、信濃グランセローズの優勝決定戦の観戦を諦めて、この演奏会にご来場くださった、とのことで、打ち上げ会場では2007年のリーグ発足以来となる優勝を三沢先生と一緒にお祝いすることができました。優勝おめでとうございます。

第四ステージの信長貴富先生「くちびるに歌を」は、ウィテカーを彷彿とさせるような実験的なサウンドと、ベートーベンの歓喜の歌を思わせるメッセージ性の強い終曲「くちびるに歌を」が強烈な印象を残す名曲。演奏機会も多い人気曲ですが、技術的難易度はかなり高く、麗鳴にとっては相当背伸びした選曲。ご来場のお客様の心に、太陽を、歌を届けられるように、精いっぱい歌いました。

 ほぼ満席となった客席の温かさとスタッフに支えられて、充実感いっぱいの演奏会。(実は大津も影アナでサポートしてくれました)「今日が今日であること」の幸せ、つらくても悲しくても、歌と共に生きていることの幸せをかみしめることができた演奏会でした。ご来場くださったお客様、本当にありがとうございました。また来年12月、同じウィーンホールでお会いしましょう!