GAG(Galleria Actors Guild)は、アマチュアオペラ制作集団「ガレリア座」で知り合った大津佐知子と北教之が、1996年に結成した劇団です。二人芝居を中心とした少人数の演劇・朗読劇などを不定期に上演し続け、2013年には第十回公演を開催しました。演劇だけでなく、歌曲なども交えたお茶会などを今後も発表し続けていきます。

GAGプロデュース公演、Singspielersのさろん・こんさぁと、第三弾始動しております!

梅の花もあちらこちらで満開になり、いよいよ本格的な春が近づいて参りました。みなさまいかがお過ごしですか?

今日は、GAG団員出演の舞台2つを紹介させていただきます。まずは、GAGプロデュース公演から。

先日こちらのブログでも日程のみ周知いたしましたが、5月14日開催のSingspielersのさろん・こんさぁとAct3。詳細が下記の通り決まりましたので、周知させていただきます。

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毎回、レクチャーコンサート風に、一つのテーマを決めて選曲しているこのコンサートシリーズ、今回のテーマは、「オペレッタの中の『ラ・ボエーム』」。

プッチーニの傑作オペラ「ラ・ボエーム」。このオペラに描かれたモンマルトルの青春群像が、ウィーンオペレッタの名作の中で、どのように取り込まれたのか。オペレッタはなぜ、「ラ・ボエーム」を愛したのか。

オペレッタが隆盛を極めた19世紀末から20世紀前半、時代の価値観が大きく変動していく時代を、ひたむきに生きたパリのグリゼットたちと、彼女たちへの憧れと共感が生み出した数々の名曲たち。

オペラ「ラ・ボエーム」の名曲と共に、「ラ・ボエーム」にインスパイアされたウィーン・オペレッタの名曲の数々をご紹介する中で、この時代のヨーロッパの空気を少しでも感じていただければ幸いです。

入場無料(カンパ制)。いつものように、演奏の後、お客様と一緒に、ワインと軽食を楽しむお時間も設定しております。ご興味・お時間のある方、先着25名様限定となりますので、お早目に事前予約ご連絡をお願いいたします!!

 

もう一つ、今月、調布のせんがわ劇場で開催される「東京室内歌劇場 スペシャルウィーク2017 in調布市せんがわ劇場魔笛』」。大津が、合唱として参加することになりました。大津はこれで、せんがわ劇場でのこのシリーズに、第二回以降すべての回に出演していることになります。

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魔笛」は、恐らく世界でも最も上演回数の多いオペラの一つだと思いますが、物語は哲学的で様々な解釈を可能にする不思議なお話。今回大津が参加する中で、ちょうどアメリカでのトランプ大統領の誕生に合わせて、「そうか、こういうことか」とちょっと納得感があったのだそうな。

魔笛」が、フリーメイソンというヨーロッパの秘密結社の秘儀を題材にしている、というのは有名な話ですが、そもそもこの「秘密結社」というのが、特殊技術を持っているエリート集団であって、一定の資格なり、タミーノとパミーナが直面する様々な試練を潜り抜けた「選ばれた民」の集団である、というのが、飯塚励生さんの演出の中で非常にくっきり見えてきたのだそうです。そういうエリート集団が世界を統治する、という考え方というのは、現代の欧米でも根強く残っている考え方で、そこに、異物のように飛び込んできていきなり政権を取ってしまったのがトランプ大統領だったのではないか、と。

耳慣れた音楽やファンタジックな世界を楽しむだけでなく、ちょっと見方を変えてみるのも面白いかもしれません。残席僅少とのことですが、もしご希望の方がいらっしゃいましたら大津までご一報いただければと思います。

1月のGAG団員の出演舞台、無事に終演いたしました!

突然春先のような陽気になったかと思えば、また寒さがぶり返し、体調管理が難しい今日この頃、皆様つつがなくお過ごしでしょうか?GAG団員にもそろそろ花粉症の症状が出始めたり・・・春が待ち遠しいようなそうでもないような。

さて、先日このブログでご案内いたしました、1月のGAG団員の出演舞台二つ、無事に終演いたしました。双方の調整不足のため、全く同じ1月21日(土)の同じ時間に、都内の別々のホールで開催された演奏会。お客様にはどちらに行くか選ばせてしまい、大変申し訳ございませんでした。この場をお借りしてお詫び申し上げます。

まずは、仙川のフィックスホールで開催された、大津出演の演奏会、「歌曲で紐解く世界の愛」。6人の歌い手が、様々な国の愛の歌を歌う、という、各国のお国柄が楽しめる企画、大津はフランス担当、ということで、歌ったのは、下記の5曲。

 

Romance (Debussy)

Trois beaux oiseaux du paradis (Ravel

Clair de lune (Faure)

Violon (Poulenc)

Fleurs (Poulenc)

 

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真っ赤なマーメイド衣装でございます。

2012年、アメリカから帰国した時に、大津が初のリサイタルを開いたのがこのホール。当時は「アヴェニュー・ホール」という名前でしたが、昨年から「フィックス・ホール」と名前を変えて再出発。地元仙川の、思い出深いホールで、初リサイタルでも歌った、ラヴェルの「三羽の美しい極楽鳥」や、フォーレの「月の光」を含む、得意のフランス歌曲を歌う機会をいただきました。主催のフィックス・ホールに感謝です。

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女性出演者は全て衣装を赤で統一。平成生まれのピアニスト古庄明日香さんの瑞々しい伴奏と共に、フランス歌曲の魅力を、ほぼ満席となったお客様に届けることができました。五曲とも、これまで何度も歌ったフランス歌曲。それでも歌うたびに味わいが変わる。そういう、自分のものになった歌を歌う歓びを、再認識した舞台でした。このところ新曲を歌う機会をいただくことが多かったので、余計にそういう感想を持ったのかもしれません。

 

そして同日ほぼ同時刻、代々木八幡のHakuju Hallで、北出演の、「第五回ウィーンオペレッタコンクール入賞者及び入選者発表コンサート」が開催されました。北は、予選で歌った、オッフェンバックの「ブラバントのジュヌヴィエーヴ」から、「カール・マルテルボレロ」と、以前ガレリア座で全幕上演した際に演じた、オルレンドルフ大佐の「クプレ」の二曲を歌いました。

 Hakuju Hall、という、素晴らしい響きを持つ会場で歌うのに、あまり語りっぽい曲を歌うのもなぁ、と思いつつ、自分の強みはオペレッタの本番舞台をいくつか経験していることで、その物語の中にお客様を引き込むことだよなぁ、と考えて、以前客席を巻き込んで盛り上がったオルレンドルフのクプレを歌おう、と思い立つ。せっかくだから、あのガレリア座の本番舞台の楽しさを、Hakuju Hallにいらっしゃったお客様にも味わってもらいたいなぁ、と思い、本番舞台で作った自作の歌詞を一部変更。舞台から客席に降りて行って、「ウィーンのオペレッタも楽しいですよねー」なんてお客様に歌いかける替え歌を歌うことに。ついでにピアニストの榎本潤先生にも少し絡んでもらおうかな、などと、やりたい放題、飛び道具だらけのふざけたステージを作り上げてしまいました。

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演出指示も記入した楽譜。幸い、榎本先生も楽しんでサポートしてくださって、おかげさまで、お客様にもそれなりにご好評いただいたようです。優しい榎本先生や、こちらのアイデアを受け入れて、色々ご指導くださった黒田晋也先生に感謝です。

 

年明け早々の演奏会、大津は得意のフランス歌曲、北も得意のオペレッタで、幸先良い幕開け。今年の活動に勢いをつけることができました。今年もたくさんのお客様に笑顔を届けられるよう、頑張りたいと思います。今後ともGAG団員の活動をよろしくお願いいたします!

2017年のGAG団員の活動予定です!

2017年が始まりました!皆さんどんな年末年始をお過ごしになりましたでしょうか?

先日この日記でご案内しました12月23日の大津出演のコンサート、「アリアになったビートルズ」も盛会に終わり、GAG団員の2名は、2017年初から早速、次の活動に向けて始動しております。まだ未定の部分も多々あるものの、現時点で決まっている活動予定を、下記に掲載しておきます。今年の9月あたりまで予定が見えてきました。

 

1月:

21日(土)13:30 @仙川フィックスホール (入場料:4,000円)

「歌曲で紐解く世界の愛」

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・・・大津が、得意のフランス歌曲を歌います!チケット代割引あり。

 

21日(土)13:30 @Hakuju Hall (入場料:3,000円)

第五回ウィーンオペレッタコンクール入賞者及び入選者発表コンサート

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・・・大津の演奏会と同じ日時で申し訳ありません(汗)。北が先日挑戦し、アマチュア部門第一位をいただいたウィーンオペレッタコンクールの、入賞者コンサートです。

 

2月:

26日(日)春のコーラスコンテスト、通称「春こん。」

・・・北が、合唱団麗鳴メンバーで構成されたアンサンブルグループの一人として出演します。

 

5月:

14日(日)Singspielersのさろん・こんさーと(Act.3)

・・・GAG主宰のサロンコンサートシリーズ、第三弾。詳細決定次第また宣伝させていただきます。

 

8月:

上旬・・・大津出演のオペラ舞台(詳細未定)

9日(水)万年筆女子会コンサートVol.2(お題はお楽しみに!)

 

9月:

2日(土)・・・北出演の合唱団麗鳴の定期演奏会

 

これ以外にも決定次第、このブログでお知らせしてまいります。2017年もGAGを何卒ごひいきのほど、よろしくお願い申し上げます!

大津出演のコンサート「ARIAになったBEATLES」が近づいて参りました!

11月に雪が降るなど、急に冬めいて参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

寒い季節というのは何故か演奏会シーズンでもあり、とにかく歌い手にとっては健康管理含め過酷な季節です。GAG団員の二人も、ご多分に漏れず、色々な演奏会のお手伝いや出演が重なっております。今日はそのうち、12月23日(金・祝)という、クリスマス・イブ・イブに開催される、大津出演の演奏会のご紹介です。

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この演奏会を企画された柴田智子さんが、20年前に東芝EMIからリリースした、「LET IT BE」というCD。ビートルズの名曲を、ある曲はヘンデル風に、ある曲は超絶コロラトゥーラで、とオペラアリア風に編曲し、オーケストラ伴奏で録音されたCDは、ビートルズがスタンダードナンバーとなり、様々な歌手がカバーしたり独自の解釈でアレンジを加えていったりするアプローチの先駆けともいえます。その先進性ゆえに、しばらくお蔵入りになっていたこのアレンジを、様々な歌い手に再び歌ってほしい、という柴田さんの想いが、今回の演奏会の開催につながりました。

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歌い手の個性を前面に押し出したい、という柴田さんの想いをそのまま表現した素敵なフライヤー。大津は、イエスタディ、エレノア・リグビー、そして、リバプール・オラトリオの中の1曲などを歌います。ニューヨークの街角の情景を切り取ったようなポール・マッカートニーの先鋭的な歌詞(ボブ・ディランの次はマッカートニーか?)と耳慣れたメロディーが、ソプラノ歌手たちの歌声でどんなふうに色彩を変えるのか。なかなか聞くことのできない貴重な機会と思います。残券僅少。ご興味のある方はお早めに下記までご連絡を!

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万年筆女子会コンサート、好評のうちに終演いたしました!

11月に入り、一気に気温も下がってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、先日来、このブログでもご案内しておりました、大津出演の演奏会、「万年筆女子会コンサートVol.1」が、11月12日(土)に、渋谷ラトリエで開催され、ほぼ満席のお客様をお迎えし、大好評のうちに終演いたしました!ご来場いただきましたお客様、誠にありがとうございました!

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 オープニング、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」より。五人とも声量があるので、大変厚い女性合唱になりました。

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 会場の渋谷ラトリエ。二階にある楽屋から、一階の会場につながる階段の途中から見下ろします。

渋谷のラトリエは、GAG公演でもすっかり定箱にしているサロン。居心地のよい空間、演奏する側がどうやったら心地よいか、ものすごく気配りしてくださるスタッフさんたち。この場所で色んな発表ができる幸せを毎回感じます。

 今回、大津は、イギリス古謡を2曲、オペラ「ロミオとジュリエット」から、アリア「私は夢に生きたい」、そして、なかにしあかね作曲「夏の夜の夢」から、終曲「我ら役者は影」の4曲を歌いました。得意分野の英語歌唱を活かすだけでなく、お客様を惹きつける存在感と表現力で、夢見る少女からいたずら好きの妖精まで、様々なキャラクターを演じ切りました。

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イギリス古謡、「It was a lover and his lass」

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ロミオとジュリエット」より、「私は夢に生きたい」

 

声の質、得意な分野や言語など、パフォーマンスの個性が見事なまでに重複しない5人の歌い手。「文豪」というキーワードで持ち寄った曲もバラエティに富んでいるのですが、それだけでなく、日頃歌いなれたレパートリーを持ち寄る、という安易な道を選ばずに、「折角の自主企画なのだから、歌ったことのないこの曲に挑戦してみよう!」というチャレンジ精神にあふれたプログラム。聴く側にも、そういう歌い手の矜持が伝わってくる、いい意味で緊張感のある、みっしりと充実した時間を過ごすことができました。これだけバラエティに溢れたプログラムを支えきった、田中知子さんのピアノの素晴らしさにも感動。

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コルンゴルトの「道化の歌」を端正に歌う、中島佳代子さん。

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ハムレット」より、「オフェーリアの狂乱の場」を歌う、末吉朋子さん。超絶高音で狂気を演じました。

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田辺いづみさんの「魔王」。田中知子さんのピアノの連打がトランス状態を誘い、魔王のパートを歌う時のいづみさんの目が妖しく光ったとの証言あり。

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「グレートヒェンのモノローグ」は、歌ではなくセリフ、モノローグです。ドイツ語の独白を橋本美香さんが鬼気迫る表現で演じ切りました。

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田中さんを囲んでの集合写真。

さて、ここからちょっと裏話を。今回の演奏会、5人の歌い手たちがそれぞれに、事務作業を分担して作り上げた手作り演奏会。会計担当は中島佳代子さん、チラシのデザインは橋本美香さんの旦那さま、プログラムは田辺いづみさん製作、チケット管理やチラシの挟み込み手配は末吉朋子さん、といった感じ。以前このブログで、「歌い手の個性がいい感じにバラバラで、バランスがいい」という話をしましたが、演奏会を企画進行していくノウハウ、という意味でも、いい感じに「得意分野」が分かれていて、バランスがいい。

 その中で、大津は、会場との折衝や企画の進行管理、終曲の「夏の夜の夢」の上演台本製作を担当。北は、字幕スライドの製作とオペレーションを担当しました。大津が書いた「夏の夜の夢」のセリフ部分では、ラトリエの二階や階段など、会場のあちらこちらに散らばった歌い手たちが、それぞれに妖精のセリフを語り、会場全体を妖精の森のような雰囲気に包みこむ演出が印象的でした。

ここで、北製作のスライドの一部をご紹介。結構凝って作ったんですよ。

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「オフェーリアの狂乱の場」

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「魔王」

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なかにしあかね先生作曲「夏の夜の夢」から。

過去のGAG公演やサロンコンサートでスライド製作したノウハウを踏襲し、「字幕スライド」というよりも、歌全体の対訳や要約をスライド投影する、という形式を取りました。訳詞を印刷したプログラムをお手元に配る代わりに、スライドで投影する、という感じですね。手元の印刷物を見ながら演奏を聴くよりも、舞台全体で演奏を楽しむことができた、ということで、何人かのお客様からお褒めのお言葉をいただくことができました。

歌い手それぞれが、妥協なく自分のパフォーマンスに向かう姿勢、練習が終わったあとの万年筆談義、そういう楽しい時間を経た上で、充実した第一回演奏会を成功裏に終了。万年筆女子のみなさんはさらに盛り上がっております。打ち上げの席でも、「次回はどうする?」「やっぱり日本モノにしますか?」「日本モノといえば国産、やっぱりパイロット?」「いやプラチナでしょう」と、歌の話をしているのか万年筆の話をしているのか分からない会話が飛び交っておりました。万年筆女子会の5人の歌い手が次に何を繰り出すのか、しばらく目が離せません。次が見えてきましたら、またこのブログでご案内させていただきます!

たまには北の活動を~2つの音楽コンクールに挑戦しました!~

10月もそろそろ終わりというのに、なかなか秋らしい天候になりませんが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 

さて、このGAGブログでは、最近、プロのソプラノ歌手である大津の舞台活動の報告が中心になり、もう一人の団員、北の活動がほとんど報告されておらず、GAGブログといいながら、ほぼ、大津佐知子の舞台ブログになっておりました。今回は珍しく、北の最近の舞台活動にフォーカスして報告いたします。 

なんで最近黙ってたの、と言えば、北はアマチュア舞台人なので、活動自体が少ない、というのもあるんですが、もっと大きな理由が、実は、音楽コンクールに2つ挑戦していて、このブログでレポートできるような結果が得られなかったらどうしよう、とブルっていた、という小心者の北らしい理由でして、一応、これならレポートしてもいいんじゃないかな、という結果をいただくことができ、やっと掲載する次第。

  

 まずは、9月19日、文京シビックホールで開催された、合唱コンクール東京都大会に、所属している合唱団麗鳴の団員として参加。強豪居並ぶ全国屈指の高レベルな東京都大会の中で、銅賞に入賞することができました。

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歌ったのは、課題曲が、市原俊明作曲、北原白秋作詞「角を吹け」、自由曲が、千原英喜作曲、五木寛之作詞「心が愛にふるえるとき」より、「追憶」。楽譜を購入した上で、自分用のコピー譜を作ってこれに書き込みをするのが北のスタイル。何度も同じ指摘をされても治らない歌い癖が確認できて、自分でも嫌になったりする。

 「心が愛にふるえるとき」は、3月の麗鳴の定期演奏会でメイン曲として演奏した曲。五木寛之の終生のテーマともいえる、日本海を隔てて、大陸と日本の間に引き裂かれる人の絆と、引き裂かれてもなお求め続ける無念と慟哭の情のこもった歌詞。その歌詞に、歌謡曲を思わせる現代的なリズムや、ユーラシア大陸の広がりをも内包したアジアの彩りをスパイスに加えながら、千原先生らしい厚みのある美しい和音で平易に書かれた楽曲。演奏会の後も、「この曲をもっと突き詰めて歌ってみたい」という団員の声が大きく、コンクールの自由曲で歌うことになりました。

 正直、日本の合唱界をリードする強豪団体が居並ぶ東京都大会で、上位入賞が狙えるような歌唱技術を持った団体でもなければ、そういう技術を駆使するような選曲でもなかった、と思うのですが、多分、団員のこの曲に対する愛着と歌い込んだ時間が、審査員の方々に好意を持って受け止めていただけて、それが銅賞という結果になったのかと思います。審査員の講評の中に、「コンクール、ということを忘れて聞き入ってしまった」という感想があり、歌唱技術の優劣をつける、というコンクールの枠組みを超えて、聞く人の心に届いたものがあったのかな、と思いました。「心が愛にふるえるとき」という楽曲は本当にいい曲なので、色んな団体が取り上げてくれるきっかけになるといいな、と思います。

 

そしてもう一つの音楽コンクールへの挑戦。10月22日に本選が開催された、第五回ウィーンオペレッタコンクールのアマチュア一般部門に出場、同部門1位をいただくことができました。

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いただいた賞状と、賞品のグムンドナーの花瓶。コンクールの事務局長、黒田晋也先生が、日本橋にしかない独占輸入代理店さんから買い付けてきたものだそうです。

普通の声楽コンクールと違い、オペレッタ、という素材に限定したコンクール。アマチュアにまで門戸を広げているとはいえ、受験者の数はそれほど多くない。主催者の方も、「日本でオペレッタを歌う人、というのは本当に少ないんです」と嘆いてらっしゃいました。この手のコンクールというのは、受験者からの受験料で運営されることが多いでしょうから、この受験者の数ではとても採算が合っているとはいえないんだろうな、と、失礼ながら思ったり。でも、「このコンクールを続けたいんです。だって、私はオペレッタが大好きなんですから!」と、主催者の方が熱く語っていらっしゃって、そういう情熱で支えられているコンクールなんだなぁ、と思いました。

熱いのは主催者の方々だけでなく、受験者の方々、とくにアマチュア部門の受験者は、みなさん、オペレッタに対する愛情やこだわりに溢れていて、その情熱にとにかく圧倒される。見事なドイツ語歌唱を聴かせる実力派はもちろん、65歳以上のシニア部門で、声は衰えていても、しっかりした音程と味わいのあるドイツ語で、しみじみとオペレッタの曲を歌われる方や、タキシードに白いマフラーとシルクハットで、そのままオペレッタの舞台から出てきたような出で立ちの方など、ウィーンオペレッタという文化への愛情をひしひしと感じました。

プロフェッショナル部門は、全員が女性の受験者だったのですが、普通のオペラではなくオペレッタを選ばれるだけあって、歌唱技術だけでなく、立ち居振る舞いも含めて美しい美女ぞろいで、どの方の歌も聞きごたえ、見応えがありました。オペレッタコンクールらしく、セリフの審査もあり、みなさん、難しい長台詞に挑戦されていました。

北は、と言えば、ガレリア座で長く関わってきたオペレッタへの愛情は人並み以上にあるものの、歌唱技術やドイツ語歌唱にそれほど自信があるわけでもなく、誇れるものは舞台経験の長さだけ。しかも、いわゆる定番のウィーンオペレッタの曲は、ほとんどがテノールまたはハイバリトンの曲で、北のようなバスバリトンが歌える歌自体少ない。こうなったら、俺はオペレッタに詳しいぞ、というアピールと、舞台経験をアピールするために、かなりマイナーな曲、自分が舞台で上演したことのある曲、あるいは、舞台上での演技表現で勝負できる曲を持っていこう、と決めて、以下の曲で臨みました。

  

予選:

オッフェンバックブラバントのジュブヌイーヴ」から、「ボレロ」(北自作の日本語訳詞)

・シュトルツ「荒れ野に咲く最後のばら」(三浦真弓訳詞)

 本選:

・ミレッカー「乞食学生」から、「オルレンドルフの登場の歌」(三浦真弓訳詞)

・ミッチー・リー「ラマンチャの男」から、「見果てぬ夢」(英語)

  

結果は、アマチュア部門一位という、過分なご評価をいただいたんですが、歌唱技術だけでなく、感情表現などの舞台表現全般が評価されたようで、いただいた審査員のご講評の中にも、「舞台慣れしている」「感情が見える」といったお言葉をいただきました。これまで積み重ねてきた経験が活きたかな、という感じです。

このコンクール、アマチュアにも門戸を開いているし、単なる歌唱技術だけで評価されるのではない、総合力が問われるということもあって、オペレッタが好きな方が挑戦するにはとてもハードルの低いコンクールだと思います。実際、プロフェッショナル部門の受験者の中には、他の大きなコンクールに挑戦する前に、コンクールの雰囲気を体験するために受験している方も結構いらっしゃったようです。

 

コンクールの入賞者を集めての演奏会は、1月に予定されておりますので、またこのブログでご案内していきたいと思います。何卒よろしくお願いいたします!

11月12日 万年筆女子会コンサート Vol.1のお知らせ!

まだ残暑厳しい中、街のあちこちでキンモクセイの香りが漂い始めました。皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、今日は、11月12日(土)、渋谷のラトリエで開催される、大津出演の演奏会、「万年筆女子会コンサート Vol.1 『恋と哲学、ときどき妖精』」のご案内です!

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ちらしの写真、5本の手はそれぞれ5人の出演者、そして手にしているのは、それぞれのお気に入りの万年筆。どれが誰の手で、どこのメーカーの万年筆を持っているか・・・?答えはこの記事の最後に。

 

このコンサート、発足の経緯がとにかく面白い。東京室内歌劇場が仙川で開催した、「子供と魔法」に出演していた歌い手さんたちが、「万年筆が好きでね~」「私も~」と言い始め、お互いの持っている万年筆を見せ合いっこする会が始まり、その様子を見ていた某コロラトゥーラ歌手の旦那様が、「君たちで演奏会とかやると面白そうだよね」と呟き、大津が、「私、没後400年のシェイクスピアに絡めてやりたい、なかにしあかね先生の曲があるんです」と言い始め、「万年筆といえば、シェイクスピアだけじゃなくて、文豪つながりでゲーテ、というのもありだよねー」某メゾ歌手がつぶやき・・・という感じで実現することになった企画。

好きなものが万年筆・・・という共通項があるものの、よくもこんなに違う歌い手が集まったね、と思うほど、5人それぞれに個性が違います。正確無比なコロラトゥーラ技術が圧倒的な末吉さん、舞台に立っただけでゴージャス感が漂い、透明感があってシュアな歌声が素晴らしい中島さん、安定したドイツ語歌唱と存在感と厚みのある声が魅力の橋本さん、様々なキャラクターを演じ分けながら温もりと豊饒さを失わないメゾの田辺さん、そして、リスからヴィオレッタまでなんでもこなす変幻自在のキャラと、安定した英語歌唱が武器の大津。複数の歌い手さんたちが集う演奏会って他にもたくさんあるだろうけど、どこかキャラがかぶってしまったり、なんとなく似通った雰囲気の歌い手さんが次々出てくるような演奏会も多い中で、今回は間違いなく、人間の声の多様さと表現の幅に驚く演奏会になると思います。

そして、万年筆、というアイテムにこだわる「マニア」さんたちらしく、自分の歌唱技術にこだわりも確かなもの。大津が言うには、「歌や音楽に対して、どこにこだわるか、というポイントがすごく共通している気がする」そうです。お互いの個性に対するリスペクトと、音楽や歌唱に対するこだわりがぶつかりあう、緊張感あふれる演奏会になること請け合い。

そして、こんな個性的なメンバーを支えるピアノは、これまた先日の「シャンソン・フランセーズ」で疾走感あふれるピアノを聞かせてくださった、田中知子さん。演奏会の企画を進めるきっかけとなった、なかにしあかね先生の「シェイクスピアの妖精たち~夏の夜の夢~」は、シェイクスピア生誕450年にあたる2014年に、なかにし先生のご夫君であり、英国歌曲の第一人者である辻裕久さんが初演した作品。これを没後400年である2016年に再び全曲演奏する、ということで、なかにしあかね先生と辻先生の公式ホームページにも取り上げていただきました。

こちらです↓

www.soundinternationaljapan.com

色んな意味で聞きごたえ、見ごたえたっぷりのこの演奏会、まだまだ残券多数、とのことで、お時間とご興味のある方はぜひぜひご来場ください!チケットのご用命は、いつもの通り、下記まで!

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はい、そして、冒頭の、万年筆とてのひらの答も掲載されたチラシの裏面は、こちらでーす!

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